スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。
皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください。ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう。またケガの予防や対処の知識を得るには、誰でも無料で、スマホで簡単に見ることのできる『バスケ手帳』がお勧めです。
[Q]トップスピードを出す際に踵から力が伝わりません。
トップスピードを出す際に踵から力が伝わらず、思いっきり蹴ろうとするとアキレス腱が痛くなります。以前、仲間がアキレス腱を切ったので怖いです。より強く蹴るための対策はありますか?
[A]アキレス腱、ふくらはぎだけでなく、お尻やハムストリングスのストレッチも必要です。
症状としては、アキレス腱炎、アキレス腱症かと思われます。ご質問にもあるように、アキレス腱断裂の前兆のようにアキレス腱の痛みや違和感があったという患者さんもいらっしゃいます。アキレス腱断裂を起こしますと治療期間は3カ月から6カ月はかかり、バスケットボールへの復帰は半年から1年くらいかかることも少なくありません。
アキレス腱、ふくらはぎのストレッチはもちろんですが、股関節の後ろ、つまりお尻やハムストリングスのストレッチも必要です。強く蹴るためのトレーニングとしては、立った状態からのヒールアップ(踵上げ)が良いと思われます。ヒールアップをする際は、踵から足の裏の外側を通って、つま先に力が伝わるように意識して行いましょう。試してみてはいかがでしょうか?
ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
vol.13「ブロックに行ったら、相手が頭から落ちてしまいました」
vol.14「相手の肘が当たり、歯が2本折れてしまいました」
vol.15「突き指をした数カ月後に、関節の形や向きが変わった」
vol.16「コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか」
vol.17「遠征中に足首を捻ってしまい、応急処置を教えてください」
vol.18「壁にぶつかってしまい、肩に痛みと違和感があります」
vol.19「相手と接触して目を切ってしまい、血が出てきました」
vol.20「10年ぶりに草バスケを再開するのですが、ケガが心配です」
vol.21「疲労骨折を早く治す方法はありますか?」
vol.22「ケガした足首をかばって、他の部分に痛みが出てしまいました」
vol.23「肘を強打して以降、今もたまに痺れが出てきます」