トップ10のうち3人がデューク大出身者

現地6月25日、NBAドラフト2025の初日が行われ、各チーム1巡目の指名が終了した。大方の予想通りマーベリックスが全体1位でクーパー・フラッグを、スパーズが全体2位でディラン・ハーパーを指名した。そして上位指名候補と評価されながら、ドラフト前に各チームが行うワークアウトにまったく参加しないという異例の方針を取ったエース・ベイリーは全体5位でジャズに指名された。

上位指名で目立ったのはNCAA屈指の名門デューク大の躍進だ。全体1位のフラッグに加え、4位でコン・クヌッペル、10位でカマン・マラウチとトップ10以内で3人が指名を受けた。また、過去2年間ではビクター・ウェンバニャマ、ザッカリー・リザシェイのフランス勢を筆頭にNCAAでプレー経験のない選手たちの上位指名が多かったが、今年は全体12位にドイツでプレーをしたノア・エセンゲが指名されるまでNCAAの選手が続いた。

NCAA以外の選手でエセンゲの次に名前が呼ばれたのは、全体16位指名のヤン・ハンセンだった。2巡目指名と予想する声が多かった中国出身の大型センターの1巡目指名は、今年のドラフトにおける最大のサプライズとなった。ハンセンはグリズリーズが指名したが、その後のトレードでトレイルブレイザーズへ移籍することになった。

今年のドラフトでも指名権をからめたさまざまなトレードが行われたが、特に注目したいのはサンズが保有していた全体29位指名権だ。サンズは2029年の1巡指名権とのセットで、ホーネッツからビッグマンのマーク・ウィリアムズを獲得することに成功。ウィリアムズといえば2月にレイカーズとのトレードが一度は成立したが、メディカルチェックの後で破談となっていたビッグマンだ。サンズはケビン・デュラントをロケッツに放出したトレードで獲得した、今年の10位指名権を使ってマラウチを獲得しており、23歳のウィリアムズと共に2人の有望ビッグマンを一気に補強したことになる。

また、全体8位指名権を筆頭に5つの1巡目指名権を持っていたネッツは、この指名権を使ったトレードを仕掛けると見られていたが、5つの指名権をすべてそのまま使ったことも驚きだった。

ネッツは8位でイゴール・デミン、19位でノーラン・トラオレ、22位でドレイク・パウエル、26位でベン・サラフ、27位でダニー・ウォルフをそれぞれ指名。デミンはロシア、トレオレはフランス、サラフはイスラエル出身と国際色豊かな顔ぶれとなった。デミンは206cmの大型ガードながらパスセンスに優れ、ウォルフは210cmのビッグマンでありながらミシガン大ではピック&ロールからのドライブを得意としていた、尖った個性の持ち主だ。再建モードに入っているネッツが彼らをどのように起用していくのか楽しみだ。