ケガ予防のQ&A

スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください(ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう)。

答えてくれたのは……近良明医師 新潟県新発田市出身。スポーツ医学と肩関節外科が専門の整形外科医として新潟県新潟市に『こん整形外科クリニック』を構える。新潟県バスケットボール協会スポーツ医科学委員長を務める。

[Q]コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか。

ミニバスの指導をしています。コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか。今は、ウォーミングアップ時はマスクを着用し、本格的な練習が始まるタイミングでマスクを外しています。感染予防のために常にマスクを着用するという人もいれば、息苦しくて危険なのでマスクは外すべきという人もいて、保護者の間でも意見が分かれています。

[A] 熱中症と感染の危険性のバランスを考えて判断していただくことが大事 。

スポーツ庁は基本的な感染症対策として、学校教育活動の際はマスクを着用し、特に近距離での会話や発声が必要な場面では、飛沫を飛ばさないようにマスクの着用を徹底することが適切としていましたが、2020年5月21日に体育の授業中はマスクをする必要はないと通知しました。

バスケットボールという競技で考えますと、ソーシャルディスタンスを保つことはできませんし、会話をしないといった飛沫感染予防対策もできません。一方で、バスケを行う際にマスクを着用した場合、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクが指摘されております。したがって、当該地域の感染状況などを十分に考慮しながら、熱中症と感染の危険性のバランスを考えて判断していただくことが大事と思われます。

基本的には、息苦しくないか選手とコミュニケーションを取り、不織布でできたサージカルマスクではなく、布製のマスクをつけながら練習し、手洗いうがいなどの基本的感染予防対策を徹底することが望ましいかと思われます。また指導者は必ずマスクをすべきであるとスポーツ庁からも提唱されています。

ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
vol.13「ブロックに行ったら、相手が頭から落ちてしまいました」
vol.14「相手の肘が当たり、歯が2本折れてしまいました」
vol.15「突き指をした数カ月後に、関節の形や向きが変わった」

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