
「ここぞの場面で『1オン1に行って』と言われる選手に」
バスケットボール女子日本代表は、7月13日にコーリー・ゲインズヘッドコーチ体制では初の国際大会となる『FIBA女子アジアカップ2025』を迎える。12名の代表メンバーの内、Wリーグ以外から唯一の選出となったのが馬瓜ステファニーだ。
2023-24シーズンから海外リーグに挑戦中の馬瓜は、昨シーズンはスペインの強豪サラゴサに所属。ユーロリーグでは準々決勝プレーインで惜しくも敗れたが、14試合に出場しチームトップの平均11.6得点を挙げるなど主力として活躍した。
ゲインズヘッドコーチのもと世代交代を図る日本代表においても、馬瓜はコアメンバーとして欠かせない存在だ。182cmのサイズとリーチの長さを備えた馬瓜は、これまで代表では4番ポジションを主戦場としていたが、今回は3番ポジションで起用されている。この変化について馬瓜は次のように語る。
「スペインでは3番ポジションをやっていましたが、日本代表で3番をやることに最初はちょっと違和感がありました。これまで代表では4番としてピック&ロールでもスクリーナーになることが多く、アジャストが難しいところもありましたが、今はできていると思います」
そして、インサイドの守備もこなせる自身が3番ポジションでプレーする利点をこのように見ている。「基本的に3番でプレーさせてもらうことで、ディフェンスのアドバンテージが生まれるのは大きいと思っています。平均身長を上げ、日本の弱点である相手ビッグマンの守りをカバーしていきたいです」
また、オフェンスに関してはペイントアタックを重視していると話す。「代表チームは3ポイントシュートを打つ選手が多いので、自分はボールを持ったら中に切り込んで、守備を収縮させてから外に出すことを考えています。また、チャンスがあれば自分でも積極的に3ポイントシュートを打とうと思います」
今回の女子日本代表は、19歳の田中こころや20歳の薮未奈海がメンバー入りするなど若手が増えた。「日本に帰ってきたら中堅みたいになっていて『あれ?』みたいな……。若い子がたくさんいるな、と思いました」と語る馬瓜は、中心選手としての自覚と責任感が増している。
「みんなうまく、度胸がある子ばかりですし、私がどんどんオフェンスに行くのは違うと思います。でもいざとなったら、自分で仕掛ける必要があることはわかっています。一歩引くわけではないですが『無理な時は私にボールを渡して』くらいの気持ちでいられたらいい。その上で最後のワンプレーなど、ここぞという場面で『1オン1に行って』と言われるような選手でいられたらと思います」
目標であるアジア王座奪還を成し遂げるには、タフな試合を勝ち切れるかが大きなカギとなる。ここ一番という場面で、欧州トップレベルの環境で結果を残してきた馬瓜の底力は大きな助けとなる。