ケガ予防のQ&A

スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください(ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう)。

答えてくれたのは……近良明医師 新潟県新発田市出身。スポーツ医学と肩関節外科が専門の整形外科医として新潟県新潟市に『こん整形外科クリニック』を構える。新潟県バスケットボール協会スポーツ医科学委員長を務める。

[Q] 相手と接触して目を切ってしまい、血が出てきました 。

クラブチームに所属している23歳です。練習試合中にディフェンスをしていて相手と接触し、目を切ってしまいました。すごく血が出てきて焦ってしまいました。その時の処置方法を教えてください。

[A]まず、視野の確認をしましょう。

相手の頭とぶつかること(バッティング )による、目の周囲のケガは多いです。まずは、視野の確認をしましょう。例えば、下を見て物が二重に見える場合は、眼窩底骨折といって、眼球の下の支えになっている骨の骨折が考えられます。この骨折は、2020年のバドミントンの桃田賢斗選手のケガで有名になりました。これは手術の適応になることが多いです。

まぶたの切り傷による出血であれば、タオルなどで圧迫して血を止めるようにしてください。その上からアイシングするのもOKです。運動中は、血圧も心拍数もあがり血の巡りが良い状態なので、思ったより多く出血することがあります。血が出ると焦りますが、冷静になって対応しましょう。もちろん、早急に救急外来など病院を受診してください。

ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
vol.13「ブロックに行ったら、相手が頭から落ちてしまいました」
vol.14「相手の肘が当たり、歯が2本折れてしまいました」
vol.15「突き指をした数カ月後に、関節の形や向きが変わった」
vol.16「コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか」
vol.17「遠征中に足首を捻ってしまい、応急処置を教えてください」
vol.18「壁にぶつかってしまい、肩に痛みと違和感があります」

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