スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。
皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください。ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう。またケガの予防や対処の知識を得るには、誰でも無料で、スマホで簡単に見ることのできる『バスケ手帳』がお勧めです。
[Q] 前十字靭帯からの復帰を目指していますが、他の箇所が痛みだしました。
昨年、右の前十字靭帯を断裂して手術を行いました。今まさに復帰を目指して頑張っているのですが、他の箇所(右足太もも、左膝、腰など)が痛みだしました。身体のケアや柔軟、トレーニングなどを頑張っておりますが、いつ頃からどれだけ動けるようになるのかと悩んでおります。
[A]手術してくれた先生や理学療法士、トレーナーとコミュニケーションを取って、自己判断でやらないことが大切です。
最近では女子日本代表のエースの渡嘉敷来夢選手も受傷したことがニュースになりましたね。前十字靭帯断裂はバスケットボール選手をサポートする医療関係者やコーチの間で長年一番問題になっています。
現在術後ということで、手術術式によって復帰時期が決まりますが、おおよそ10カ月前後であることが通常です。一番大事なのは手術していただいた先生、リハビリ担当の理学療法士、トレーナーとコミュニケーションを取ること。そして、決して自己判断ではやらないでいただきたいです。
数カ月動かなかったり、足の着き方が変わったりすれば、他の部位に不具合が来ることは少なくありません。その痛みが必要な筋肉痛なのか、動きを修正しなければならないのか、医療機関で判断してもらいましょう。
ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
vol.13「ブロックに行ったら、相手が頭から落ちてしまいました」
vol.14「相手の肘が当たり、歯が2本折れてしまいました」
vol.15「突き指をした数カ月後に、関節の形や向きが変わった」
vol.16「コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか」
vol.17「遠征中に足首を捻ってしまい、応急処置を教えてください」
vol.18「壁にぶつかってしまい、肩に痛みと違和感があります」
vol.19「相手と接触して目を切ってしまい、血が出てきました」
vol.20「10年ぶりに草バスケを再開するのですが、ケガが心配です」
vol.21「疲労骨折を早く治す方法はありますか?」
vol.22「ケガした足首をかばって、他の部分に痛みが出てしまいました」
vol.23「肘を強打して以降、今もたまに痺れが出てきます」
vol.24「トップスピードを出す際に踵から力が伝わりません」
vol.25「爪が頻繁に割れてしまいます。対処法はありますか?」
vol.26「腰痛が治りました。すぐに動いても大丈夫ですか?」