セルティックスとレイカーズに続いてクラブ売却が決まる
NHLカロライナ・ハリケーンズのオーナー、トム・ダンドンがトレイルブレイザーズ買収の基本合意に至ったと『Sportico』が報じた。ダンドンは金融や不動産で財を成した53歳の経営者。2018年にハリケーンズのオーナーとなってNHLに参入したのに続き、NBA参入を決めた。
ビル・ゲイツとともにマイクロソフトを創業したポール・アレンは2018年に死去した。この際、オーナーを務めていたブレイザーズについて「いずれ売却し、その利益を慈善事業に使う」と遺言に明記し、アレンの妹がクラブを管理してきた。
それから7年、このタイミングでオーナー移管が決まったのは、新たな巨額の放映権契約などNBAを取り巻くビジネスが巨大化し、セルティックスの売却がアメリカのプロスポーツ史上最高額となる61億ドル(約9200億円)、レイカーズはそれを上回る100億ドル(約1兆5000億円)で相次いで成立したことが影響していると思われる。
アレンがブレイザーズを買収した1988年、その金額は7000万ドルに過ぎなかった。今回の売却額は明らかにされていないが、42億5000万ドル(約6400億円)と推定される。
アレンの遺言ではブレイザーズの売却後についての言及はなく、フランチャイズ移転の可能性も噂されたが、『Oregonian』は「ダンドンはバスケに情熱を持っており、チームをポートランドに残す意向だ」というチーム関係者のコメントを紹介している。また、ダンドンは『Sportico』の取材に「興奮している」とだけコメント。クラブ売却が正式に成立するにはNBAの承認が必要で、それまでダンドンが正式にブレイザーズについて語ることはないという。
ブレイザーズの本拠地、モダ・センターは1995年開業と老朽化が進んでいる。昨年、ブレイザーズはアリーナの建物をポートランド市に1ドルで、土地を700万ドルで売却し、2030年までの賃貸契約を結んだ。今の経営陣はアリーナ問題を先延ばしにした形だが、新オーナーが誕生した時には新アリーナ建設が最初にやるべき仕事となりそうだ。