指揮官ジェイソン・キッド「失敗したっていい」
NBAドラフトで予想通り全体1位指名を受けたクーパー・フラッグは、現地6月27日にダラス入りした。マブスの練習施設での初めての記者会見では、彼のポイントガード挑戦が話題となった。
フラッグはウイングの選手だが、デューク大ではハンドラーの役割も一部こなしていた。マブスが彼にどのポジションとどんな役割を与えるかは興味深く、その質問に対してフラッグはこう答えた。「コーチとも話したけど、いろんなポジションといろんな役割を試すことになる。このチームのロスターにはオールラウンドな選手が揃っていて、ポジションレスのバスケが大きな武器になるはずで、僕はそれに合わせてプレーする。チームの勝利のためにできることは何でもするつもりなんだ」
この回答を隣で聞いていたマブスのヘッドコーチ、ジェイソン・キッドは満足気な笑みを浮かべた。かつてNBAを代表する司令塔だったキッドは「素晴らしい回答だった」と言い、こう続けた。「私は彼にポイントガードをやらせて、わざと難しい状況に追い込んでみたい。良い結果を出してくれるとは思うが、失敗したってまたトライすればいいんだ」
かつてキッドはバックスのヘッドコーチとして、スターへと成長する過程にあったヤニス・アデトクンボを指導していた。NBA最強レベルの身体能力を誇るアデトクンボにハンドラーを託したのは、その時のチームの勝利だけを考えれば良い采配ではなかったが、その起用法がアデトクンボのポテンシャルを大きく引き出した。「オフを通して彼にはハンドラーを多くやらせて、オフェンスを動かすことに慣れてもらう。ドリブルもパスもこなせる選手が複数いれば、ゲームはシンプルで楽になる」とキッドは語った。
マブスを象徴するスター選手はダーク・ノビツキーからルカ・ドンチッチへと受け継がれてきた。それに続く存在になるプレッシャーをどう感じるかと問われたフラッグは、「僕はただ毎日学び、上達したい。自分の能力を最大限に発揮できていれば、プレッシャーは自然と消え去る。だから僕はただベストを尽くし、勝ちたいと思っている」と答えた。
普通であれば、ドラフトの目玉となる選手を1位指名で獲得できるのは再建中の若いチームだが、マブスは例外だ。カイリー・アービング、アンソニー・デイビス、クレイ・トンプソンという優勝経験のあるベテランが揃っている。
「恵まれた環境だよね」とフラッグは言う。「この状況に感謝し、経験豊富な選手から多くを学びたい。スポンジのようにすべてを吸収するつもりだ」
また予定は決まっていないというが、おそらくフラッグはサマーリーグの何試合かでプレーし、そこではハンドラーとしてのパフォーマンスが見られそうだ。指揮官キッドはこう語った。「彼は練習が大好きだ。今日もこの後はワークアウトをやると言っている。彼を迎え入れることができて本当に良かったよ」
We’ve been waitin’ for ya, Coop! 🙌@Cooper_Flagg // #FlaggCaptured #MFFL pic.twitter.com/YJSDgxLgv3
— Dallas Mavericks (@dallasmavs) June 27, 2025