「アメリカ遠征で得られた経験は何物にも代えがたい」
女子日本代表は9月にドイツ・ベルリンで開催される『FIBA 女子ワールドカップ2026』に向けた第1次強化合宿を5月6日より実施している。
今回の第1次強化合宿には15名が招集され、3月のワールドカップ予選でロスター入りしたメンバーに加え、アメリカトレーニングキャンプに参加したメンバーが中心。コーリー・ゲインズヘッドコーチは今回の人選についてこのように説明した。「今回は活動初期のキャンプの一つなので、若い選手やまだ見たことのない選手を確認したいと考えました。若い選手とアジア競技大会のメンバーを同時にチェックし、そこにベテランを混ぜる良いタイミングだと思ったのです」
今回の合宿の大きな目的は、新戦力の見極めとシステムの浸透。だからこそ、ゲインズコーチが言及したように、アジア競技大会と重複している候補選手もいる。「そうすることで、彼女たちは我々のシステムやプレースタイル、専門用語を学ぶことができます。彼女たちは若く、我々が何を目指しているのかまだ完全には理解していない状態ですから、スムーズにチームになじめるような、入り口としてのキャンプにしたいと考えています」
日本代表は4月16日か5月1日にかけて若手主体のメンバーでアメリカ遠征を実施し、WNBAの昨シーズン女王のエーシズ、ゲインズの古巣であるマーキュリーと対戦した。エーシズ戦は78-94、マーキュリー戦は60-86といずれも大敗したが、貴重な経験を得た。
ゲインズコーチはアメリカ遠征の目的は複数あったと説明した。一つは、アメリカで最高レベルの才能を持つチームとの対戦を通じて、彼女たちのフィジカルやプレーを肌で感じること。田中こころら若手選手たちに世界での自らの現在地を測らせることや、リバウンドの改善も目的だったと話した。
「エーシズには多くのオリンピアンがおり、フェニックスにはオーストラリア代表など世界トップクラスの選手たちがいます。その中で自分たちのプレーを試し、チームの結束を固めたかったのです。国外へ遠征するとチームの絆は深まりますが、それも重要なことでした。また、我々は全ポジションでサイズが下回っていましたが、リバウンドでそれほど大きな差をつけられることはありませんでした。取り組んできたリバウンドの対策が功を奏しているようです」
ゲインズコーチは「エーシズやマーキュリーのようなチームと対戦して得られる経験は、何物にも代えがたいモノ」と言い、こう続けた。「心地よくプレーできない環境に身を置くことは、常に学びと経験に繋がります。手応えのない相手と戦っていても成長はできません。何事においても、そうやって自分たちに挑んでくる相手と戦うことで強くなれるのです」
また、この遠征にベテランたちを招集しなかった理由については「休息を与える良いタイミングだと判断した」と説明し、選手選考とは無関係であることを強調した。
日本代表はゲインズ体制始動時から掲げる『オーガナイズド・カオス(体系化された混沌)』というテーマや、キックアウトからの3ポイントシュートを気持ちよく打てるスタイルはそのままに、合宿やトレーニングマッチを複数回行いながらブラッシュアップを行い、メンバーを選定し、世界最高峰の舞台に挑む。
再始動した日本代表のお披露目となる『三井不動産カップ2026(神奈川大会)』は、5月16日と17日、ラトビア代表を迎えて横浜BUNTAI(神奈川県横浜市)で行われる。
高みを目指す指揮官は力強く宣言した。「我々の目標は常に『勝つこと』です。今はそのための準備をしています。このキャンプ、次のキャンプ、そしてラトビア戦と、それぞれの段階で目標を掲げています。本番にピークを持っていけるよう、課題を一つずつクリアしていきたい。我々は準備万端で挑みます」
