留学生の加入で高校バスケは飛躍的にレベルが上がった。この文化はすでに20年以上の歴史を持っており、今もなお数多くの高校が留学生を擁している。これによって日本人選手に不足していた高さとサイズが補われ、身体能力の高い外国籍選手と育成世代からプレーできる機会は、日本バスケの底上げに一役買っている。その中で、福岡大学附属大濠は留学生を起用しない方針で戦い抜き、昨年には日清トップリーグ優勝、ウインターカップ2連覇と輝かしい成績を残した。

4月11日から12日に渡って開催された『MANDOM presents 飯塚カップ 2026』で、福岡大学附属大濠は主力を欠く中、留学生選手とマッチアップする一人のビッグマンがいた。204cmのブタシュ ヴィンセント 健太郎は、荒削りながら一生懸命なプレーでポテンシャルの高さを垣間見せていた。実際にその彼は、今年度のU17男子日本代表強化合宿に名を連ねる原石だ。そのブタシュに、大濠に入学した経緯などについて語ってもらった。

八村塁のキャンプをきっかけに福岡大学附属大濠へ

──出身はどちらになりますか?

シンガポールです。父がチェコ人ですが、母は日本人なので日本国籍も持っています。

──どうして日本でバスケットをしようと思ったのでしょうか?

シンガポールは結構小さい国で、バスケのレベルが他の国と比較するとそこまで高くなく、レベルの高さを求めて来日しましたが、あらためてその高さに驚いています。

──小さい頃からずっとバスケットは続けられていたのでしょうか?

いや、そうでもなくて、僕はずっとサッカー少年でした。バスケは11歳くらいの時に始めて今年で5年くらいになります。

──バスケットを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

最初は、友達と遊ぶくらいの感覚でやっていたのですが、急にハマったんです。だんだんと楽しくなってバスケがメインになりました。その後は、クラブチームに所属して、試合にも出場したりしていました。

──大濠に入学する経緯についてお聞かせください。

去年に開催された八村塁選手のキャンプ(『BLACK SAMURAI 2025』)に参加した時に、アシスタントコーチの方々と知り合ったことがきっかけです。

──八村塁選手のキャンプはどうでしたか?

本当に信じられない体験でした。レベルも高く、八村選手に指導を受けられて、楽しかったです。

──印象に残っている指導はありますか?

ずっと何回も何回もおっしゃっていましたが、練習は『量より質』ということです。意味のない長い練習ではなく、意味や意図があり、短くていろいろな要素が詰まった練習をしなくてはいけないと、話していただいたことが印象的でした。

──その点で、大濠の練習はいかがでしょうか?

全くその通りで、2時間から2時間半の練習時間の中に頭を使う練習や、スキルを磨く練習など様々な要素が詰まっています。

──学校生活はいかがですか?

日本の授業のスタンスにまだ慣れていなくて、順応している段階ですね(笑)。

──語学も堪能だと、うかがいました。

日本語のほかに、父の母国語であるチェコ語、シンガポールは英語がメインなので喋ることができます。あとスペイン語も学校の選択科目であったので少しできます。

「ぶっちゃけて言うと遅いんで(笑)」

──現時点での自分の強みを教えてください。

やはり、高さと強さですね。それと、ちょっとパスができます(笑)。

──飯塚カップでは留学生ビッグマンとマッチアップすることが多かったですね。得られたモノはありますか?

留学生でも走れる選手もいれば、俊敏性はないけれどフィジカルがめちゃくちゃ強い選手もいて、いろいろなタイプの選手とマッチアップできたことは良い体験となりました。(福岡)第一とはこの大会の前に一度対戦したのですが、その時は自分もやり合えた自信があったのですが、今日はそうもいかなかったので反省する部分もありました。

──これから強くなるために必要になってくる部分はどういったところですか?

俊敏さと器用さですね。あの……ぶっちゃけて言うと遅いんで(笑)。それと併せて、今の時代のビッグマンは器用さが必要なので、ドリブルスキルといった技術的な部分での器用さと、的確な状況判断ができる器用さを兼ね揃えた選手を目指しています。そして、大濠から求められるようなプレーヤーになりたいです。