文=丸山素行 写真=Fiba.com

ガードの選手とのマッチアップで鍛えた機動力

今年7月に開催されるU-19世界選手権に向け、U-19男子日本代表は4月7日から10日までの4日間、第1次強化合宿を実施した。

この大会の出場権を勝ち取った昨夏のアジア選手権で、先発センターとして全試合に出場した三森啓右は、別メニューでの調整。練習後、両脛をアイシングをする三森に状態を尋ねると「去年の4月くらいから痛みがあって、脛骨を疲労骨折していました。2月は休んで、今回から半分くらいの参加という感じ。多分次回には100%でできると思います」と回復途上であることを明かした。

三森は自身のストロングポイントを「走れて、ディフェンスも中外問わずにできるところ」と話す。198cmの身長がありながら機動力もあり、シュートレンジが広いのは高校時代の練習の賜物だ。

「3番(スモールフォワード)くらいまではやれるようになれ、という監督の指示を受けて練習していました。センター同士では同じくらいのスピードなので、1対1のディフェンス練習はガードとやっていました」

三森は「日本は他のチームと比べてたくさん点数が取れるわけではないので」と前置きし、代表ではディフェンスでの貢献を求められていると話す。「日本はディフェンスでいかに失点を減らすかというのがカギになります。5番だと相手は210cmぐらいの選手が結構います。リバウンドだったり中で取られないようにしたりというところで、相手の思うバスケットをできないようにするという部分ではディフェンスが一番求められてると思います」

オフェンスでも『走れるセンター』としての強みを生かす

高校の練習で培った自慢の機動力はオフェンスでも生きる。特に相手のインサイドの選手を外に吊り出してスピードで切り崩したり、スペースを作るという意味でも日本のバスケにマッチしている。「海外のチームとやると身長差も体格差もあるので、センターをいかに外に出して、そこからドライブなどで崩すかということになります」

高校を卒業したばかりの三森は、多数の強化指定選手を送り出し、インカレ3連覇を達成した筑波大学に進学。「吉田(健司)先生は一つひとつのメニューを先に説明して、考えさせてやらせるので、厳しいというより頭を使えなきゃできない感じです」と筑波大の練習ではバスケIQが求められると明かした。

代表合宿と筑波大、日本バスケ界においてトップクラスの練習環境に身を置き成長を続ける三森。筑波大でバスケIQを培い、持ち前の機動力で海外選手との体格差を跳ね除けてもらいたい。