「みんな僕が感情を持たないロボットだと思っている」
レイカーズのブロニー・ジェームズは、子供の頃からレブロン一家を取材してきたジョー・ヴァードン記者の取材に応じた。『The Athletic』に掲載されたそのインタビューで、ブロニーは自分がレブロンの息子であることから生じる様々な批判や噂をすべて見ているが、対処の仕方は分かっていると語る。
「すべての噂を、僕はいつも片方の耳で聞き、もう片方の耳から出す。そして謙虚さを忘れず練習に打ち込み、毎日を前向きに過ごそうとしている。あることないこと言われているのは知っているよ。みんな僕が感情を持たないロボットだと思っている」
「でもそうじゃない」とブロニーは言う。「僕はそれを燃料にして、毎朝早起きして練習場に行き、練習をして映像を見て学び、毎日少しずつ成長していく。ロブ・ペリンカGMはがGリーグでプレーしつつ、ベンチからレイカーズの試合を見て学ぶべきだと言う。僕もそれに完全に同意しているよ」
2巡目55位指名の選手は、通常であれば立場が保証されなくてもおかしくない。それが4年契約を保証されたのは、レブロンという偉大な父親を持つ彼が特別扱いされた結果かもしれない。しかし、そこから先のすべてはブロニー自身が勝ち取らなければいけない。
Gリーグでは結果を残している。何も知らない人々が『レブロンの息子』に期待する30得点や40得点、トリプル・ダブルはなくても、多彩なプレーのできるガードとして及第点以上のパフォーマンスを見せている。そしてレイカーズの試合に帯同して試合から学び、時々はコートに立つ。
現地3月14日のナゲッツ戦でブロニーは、これまで最長の16分間の出場時間を得て、コーナースリーのチャンスを決め、フリースローと合わせて3得点を挙げた。注目するほどのスタッツではなくても、これが彼にできる今のパフォーマンスであり、ペリンカGMもヘッドコーチのJJ・レディックも、その歩みに満足している。
「ようやく自信がついてきた」とブロニーは言う。「高校時代はまだ若くて経験もなかったから控えめだった。大学ではあの恐怖を味わい(心臓疾患)、思うようにプレーできなかった。それを乗り越えた今、試合数を重ねることで自信になりつつある」
4年契約が彼に落ち着きをもたらしているのかもしれないし、それがなくても彼は対処できるのかもしれない。レブロンの息子であることは忘れ、優勝を狙うチームの2巡目55位指名の選手として、じっくり経験を積んで成長していけばいいと現状を受け止めている。そのメンタルの強さが、今のところブロニーの特筆すべき才能だ。