LJ・ピーク、遠藤祐亮が均衡を打ち破る働き
22勝5敗でB1の勝率トップに並ぶ宇都宮ブレックスと千葉ジェッツが、ブレックスアリーナで激突した。
最初に目立ったのは千葉のタフなディフェンスだ。ライアン・ロシターとジョシュ・スコットに対してパワーで押し負けず、インサイドでのシールを許さずにボールを入れさせない。これで得点源の2人をチームオフェンスから切り離し、ロシターもスコットも得点が伸びないどころかシュートも打たせなかった。
ただ、その後が上手くいかない。3ポイントシュートで繋ぐLJ・ピークを止められない間に、ロシターとスコット抜きで宇都宮のオフェンスが活性化。遠藤祐亮にタフなシュートをねじ込まれ、ベンチから出た喜多川修平とジェフ・ギブスも止められなかった。
またオフェンスでも苦労する。立ち上がりは富樫勇樹とシャノン・ショーターが交互に仕掛け、ツーメンゲームで得点を奪っていたが、宇都宮に対応されると次の有効な攻めが出てこない。宇都宮のディフェンスをスピードで振り切ってイージーシュートのチャンスを作ろうとするが、ペースを上げすぎてパスが繋がらないなどミスが続き、自分たちの流れを作れない。
宇都宮は劣勢だったリバウンドも押さえるようになり、前半の最後を9-0のランで締める。前半を終えてロシターが無得点、スコットが2得点とインサイドの得点が伸びない苦しい展開だったにもかかわらず、他の選手がカバーして44-36と千葉を突き放した。
後半も流れは変わらず、開始から宇都宮が14-2のラン。38-58と20点ビハインドを背負った千葉はこの時点で後半2回目のタイムアウトを使い、調子の上がらない富樫とショーターを下げて西村文男にゲームメークを託すことで宇都宮の勢いをようやく止めるが、盛り返すには至らない。
46-70で迎えた最終クォーター、千葉は噛み合わない連携を使わずショーターの個人技を中心に反撃を試みる。ショーターは思い切りの良い攻めでこのクォーターで9得点と奮起するも、チームオフェンスに勢いは出ず。球際の強さ、リバウンドで本来の強さを取り戻した宇都宮が崩れることはなく、最終スコア84-64で勝利した。
ストロングポイントを封じられた中でピークと遠藤、セカンドユニットのギブスと喜多川が流れを呼び込み、前半は無得点だったロシターも後半には11得点を記録。我慢の展開の中でチームプレーを遂行して勝利を手繰り寄せた。チームとしての成熟を感じさせる勝利であるだけでなく、また最終的な順位を直接対決の得失点差で決めるケースも想定される中で、20点差の勝利には大きな意味がある。
一方の千葉にとっては手痛い敗戦。先週の天皇杯では川崎ブレイブサンダースに62-72で敗れており、今日も64得点と自慢のオフェンスが沈黙した。宇都宮に徹底的にケアされたファストブレイクでの得点は9と伸びなかった。富樫が3ポイントシュート成功ゼロの4得点と沈黙。7アシストはあったが軽率なターンオーバーなど『らしくない』プレーに終わっている。