フィンチは審判に苦言?「予想はできていた」
現地3月30日のティンバーウルブズvsピストンズで、7人の退場者を出す大乱闘が起きた。これについてウルブズの指揮官クリス・フィンチは、「予想はできていた」と語る。
今シーズン、東カンファレンスで急浮上しているピストンズは、フィジカルなディフェンスで相手の闘志を打ち砕いて成績を残してきた。ウルブズのように一歩も引かずに戦うチームが相手であれば、攻守の強度の高さが行きすぎて敵意になり、選手同士の間で緊張が高まっていく。
試合序盤からドンテ・ディビンチェンゾとアイザイア・スチュワートは小競り合いを起こしていた。その2人が何度目かの衝突を起こした直後の第2クォーター開始3分半、リムアタックしたナズ・リードとそれをファウルで止めたロン・ホランドが挑発し合う。そこにディビンチェンゾが飛び込んで来たのを機に、両チームの選手とスタッフがなだれ込む大乱闘へと発展し、ゴール下でのもみ合いはカメラマンとゴール裏の最前列の観客席まで巻き込んだ。
映像検証の結果、ウルブズからはリードとディビンチェンゾ、ピストンズはホランドとスチュワート、マーカス・サッサーが退場処分を受けた。さらには2人のコーチングスタッフも退場を命じられている。スチュワートの振る舞いについて審判にクレームを付けていたウルブズのパブロ・ブリジョーニは、それをピストンズの指揮官J.B.ビッカースタッフから制止されて怒り、ブリジョーニが言うべきではない言葉をビッカースタッフに投げかけ、ビッカースタッフはそれに怒った。こうして7人の退場者が出た。
フィンチは「あれだけフィジカルなプレーの応酬になれば、ストレスはどこかで爆発する。そうなるべきだとは言いたくないが、試合の展開を考えればそうなることは分かっていた」と語る。これはピストンズへの批判ではなく、荒っぽいプレーを制止せず、選手同士がイライラをぶつけ合う展開になっているのに手を打たなかった審判への異議だろう。
その上でフィンチは「我々の反応は素晴らしいものだった」と語った。これはもちろん、乱闘を指した言葉ではない。その時点で29-39と負けていたウルブズが、プレーが雑になるのではなく、激しさはあっても洗練されたプレーをして、最終的に123-104で逆転勝利を収めた。フィンチはそのことを評価したのだ。マイク・コンリーも同じように、「あの出来事によって全員が目を覚ました」と語った。
アンソニー・エドワーズは、「コンタクトは試合の一部だから、別に何とも思わないよ」と乱闘についてはすっとぼけたが、「兄弟が相手チームと激しくぶつかり合うのを見れば、誰だって熱くなるものさ」と続けた。彼は乱闘が起きるまでフィールドゴール成功なし、フリースローによる1得点しか挙げていなかったが、『熱くなった』あとは24得点を挙げている。