原田賢悟

「可能性は間違いなくあるので、そこはやりきりたい」

──最初にBリーグとソフトバンクがパートナーシップを結んだのは2016年3月のことでした。当時はまだBリーグがどれほどのものか全く分からず、期待値だけでパートナーシップを決めたと思いますが、今年の契約延長は実際のBリーグの価値を冷静に見ての判断でした。Bリーグの誕生から4年間、ソフトバンクから見た満足度はいかがですか?

ソフトバンクとしてサポートしきれなかった4年間だったと思っています。

Bリーグには、もっともっと伸びしろがあると思っています。ソフトバンクではこれまでも『バスケットLIVE』などでB1、B2全試合のライブ映像を提供してきましたが、それはファンの皆さんに一方的に映像提供するだけで、双方向でのコミュニケーションはありませんでした。まだファンの皆さんの満足に足るものは提供できていないと考えています。

──「5Gで新しい映像体験を」とはよく聞きますが、それが実際にどのようなものになるのかはいまいち想像できません。Bリーグの開幕に向けて準備中のものもあるとは思いますが、3年後、5年後、10年後にはどんなものが実現しますか?

2020年3月に5Gサービス提供を開始しました。5Gサービスはスポーツ界、エンタメ界の視聴観戦体験を大きく変えることのできるテクノロジーです。試合会場に行けなくとも、試合会場と同じ、もしくはそれ以上の臨場感を味わっていただくような視聴体験を提供できると思います。現在、2020-21シーズンに向けて様々な映像サービスを提供できるように準備を進めています。楽しみにしていただければと思います。

また、何年先になるかわかりませんが、『スターウォーズ』の世界を再現したいと思っています。テーブルの上にバスケコートが立体で出てきて、ゴーグルなどを着けることなく自分の目で立体映像の試合をライブで楽しむことができる。そのような世界がそう遠くない未来に実現できるのではと思っています。

──今はプロ野球もJリーグもシーズン中ですが、新型コロナウイルスの影響に苦しんでいます。Bリーグは10月に開幕しますが、アリーナに観客を入れて試合ができるかどうかは怪しい状況です。会場にファンを入れられず映像で見るしかないとなった場合、ソフトバンクのテクノロジーがBリーグの命綱になります。

アリーナに5000人のファンの皆さまが観戦に来るとしても、観戦における目的は一緒じゃないですよね。選手とコミュニケーションを図りたい人もいれば、ファン同士の繋がりを大事にしている人もいる、チアのパフォーマンスやエンタメに期待している人もいるはずです。それぞれのニーズに合ったいろんな観戦体験をどのように提供できるのかを考えています。

プロ野球やJリーグ、エンタメ世界でコロナ対策としてファンの皆さまとのコミュニケーションを始めています。それぞれの良いところを取り入れてファンの皆様が次も視聴したいと思えるような映像を提供していきたいと思います。

──それでは、新型コロナウイルスの影響を受けながら新しいシーズンの開幕を待つファンへのメッセージをお願いします。

コロナ禍の状況は誰も経験したことがありません。クラブ、選手、スタッフ、ファンの皆さまの安心安全をどのように確保するのか、我々スポンサー企業も一緒になって考えていきたいと思っています。コロナ禍においてバスケ界全体が苦しい時だからこそ、精一杯応援していただきたい。その応援の環境を整備していく事が、スポンサー企業としての役割と考えています。みんなでBリーグを支えていきましょう。コロナを乗り越えた時に「さすがBリーグ」と思えるような状況をクラブ、選手、スタッフ、ファンの皆さまと作っていきたいです。