ブルーノ・カボクロ

1年契約を結ぶもチームに合流せず「満足してしまったら引退する時だ 」

ワールドカップでのブラジル代表は決勝トーナメント進出こそ果たせなかったものの、2次リーグではカナダ代表を撃破してチームのポテンシャルの高さを示し、13位に食い込んだ。得点(16.4)とリバウンド(9.2)でチームトップの数字を上げたブルーノ・カボクロはエースとしての存在感を発揮し、14.8得点と7.2アシストを記録した24歳のヤゴ・サントスが台頭するなど、ポジティブな話題に満ちていた。

しかし、その主役を演じたカボクロが今、契約トラブルを引き起こしている。カボクロは2014年のNBAドラフトで指名を受けたラプターズで3年半プレーし、キングス、グリズリーズ、ロケッツを経て2021年からはヨーロッパと南米のクラブを渡り歩いていたフォワード。昨シーズンはドイツのウルムでヤゴとともにプレーし、オフになると代表活動に参加するより前の6月末の時点でイタリアのウマナ・レイエルと80万ユーロ(約1億2000万円)の1年契約を結んでいた。

ウマナとの契約が決まった時点で彼は、同じヨーロッパでもユーロリーグに出場できるチームに移籍できなかったことに不満があったようで「なぜユーロリーグのオファーがなかったのかは分からない。自分のキャリアには常に何かが欠けているように思うけど、満足してしまったら引退する時だ。僕は常に高い目標に向けて戦っていく。イタリアでプレーするのは初めてだけど、僕を大きく成長させてくれると信じている」と語っている。

そしてカボクロはワールドカップで活躍した後、オフをアメリカとブラジルで過ごした後、イタリアに向かおうとはしなかった。新たなエースを待つウマナに届いたのは、数カ月前に契約した時とは異なる代理人からの「カボクロは個人的な理由でチームには合流できない」とのメッセージだった。

ウマナが得た情報では、カボクロはイスラエルのチームの一員としてアメリカ遠征に参加し、ネッツやキャバリアーズ、ティンバーウルブズと国際親善試合を行うつもりだという。カボクロはワールドカップでの躍進をきっかけに野心を持ち、ここでNBA復帰のチャンスをつかもうとしているのだろう。

だが、ウマナは正式な1年契約をすでに結んでおり、NBAのチームと契約する場合の契約破棄のオプションは含まれていないと主張している。前所属チームであるウルムには移籍金を支払っているだけに、この状況に黙ってはいられない。

ウマナの主張が正しければ、カボクロは他のどのチームでも公式戦には出られない。フロントもファンもカボクロの行為に憤慨しており、カボクロがこれからウマナに加入するとしても心地良くプレーするのは難しいだろう。ワールドカップでの躍進が思わぬトラブルに繋がってしまった。