ディロン・ブルックス

RJ・バレット「僕たちはハードワークするチームだ」

カナダ代表は100-89でスロベニアを破り、ワールドカップのベスト4進出を果たした。

スロベニアは、ディロン・ブルックスが仕掛けるルカ・ドンチッチへの激しいディフェンスにレフェリーがファウルをコールしなかったことに怒りや不満、戸惑いなど様々な感情を抱いていた。ゾラン・ドラギッチは試合後にこう語る。「ブルックスのやり方はみんな知ってる。ダーティーなプレーで相手の集中を削ぐんだ。行き過ぎたプレーがあってもレフェリーが笛を吹かなかった理由が僕には分からない。逆に僕らがフィジカルに守ると笛が鳴る理由もね」

スロベニアにとっては受け入れがたい判定だろう。カナダには少しだけ運が味方したのかもしれない。だが『少しだけ』だ。カナダはファウルにならないギリギリを見極め、必要以上にそのラインを超えない慎重さがあり、それはスロベニアにはなかった。一つひとつのジャッジに異論はあるだろうが、試合を通じて審判は同じ基準で笛を吹いていた。退場処分云々よりも、獲得したフリースローがドンチッチの7に対し、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが16だったことが、勝敗に直結する要素だった。

ブルックスは終始ドンチッチに張り付き、事あるごとに身体的にも精神的にも彼を削りに行ったが、「誰がどう見てもファウル」というラインを常に意識して、そのギリギリを攻めるディフェンスを続けた。ダーティーな面が印象に残るが、粘り強く足を動かしてスペースを消し、胸で相手の勢いを受け止め、腕を伸ばしてパスコースを消しに行く、誰もがお手本にすべきディフェンスもそこにはあった(良いプレーをした後に、ブーイングする客席に投げキッスをするような挑発行為はやりすぎだが)。

ドンチッチを削ったことで批判されるであろうブルックスについて、カナダの指揮官ジョルディ・フェルナンデスが「彼はこの大会でルグエンツ・ドートと並ぶ最高のペリメーター・ディフェンダーだ」と称えたのは、ダーティーなだけではない彼の能力を強調したかったからだ。

ブルックスが退場した直後のタイムアウトで、フェルナンデスは選手たちに「これで負けるわけにはいかない。チームとして冷静さを保ってプレーしろ」と檄を飛ばしている。ブルックスの退場は勝負の分かれ目だったが、カナダが冷静さを保とうとしたのに対し、スロベニアは冷静でいられなかった。ここにチームとしての大きな差があった。

試合後の会見でRJ・バレットは「チームが一丸となり、全員がハードにプレーした。素晴らしい試合ができてうれしい」と語り、こう続ける。「僕たちはハードワークするチームだ。全員が一つになって、コーチの指示に従って正しいプレーをしていれば特別な存在になれると信じている」