「2度と彼がいる組織の一員になることはない」

今オフ、ジェームズ・ハーデンはプレーヤーオプションを行使してセブンシティシクサーズに残留した。ただ、これはあくまでトレードされることを前提としたものだ。昨年、サラリーを減額しての契約延長を結んだハーデンだが、今オフにシクサーズはその見返りとなる彼の望む規模の契約を提示しなかった。その結果、両者の関係は終わったと見られていた。

だが、現時点でいまだにハーデンのトレードは成立せず。さらにシクサーズが他チームとのトレード交渉を打ち切ったという報道も出ていた。そんな中、ハーデンが滞在先の中国でシクサーズのバスケットボール部門代表でチーム編成を担うダリル・モーリーを「嘘つき」と痛烈に批判している動画が拡散され大きな話題となっている。

『The Athletic』のシャムス・カラニア記者がSNSで投稿した映像で、ハーデンはこう語る。「ダレル・モーリーは嘘つきだ。2度と彼がいる組織の一員になることはない。もう一度、言われてくれダリル・モーリーは嘘つきだ」

ハーデンとモーリーといえば、モーリーが2020年までゼネラルマネジャー(GM)として在籍してロケッツ時代にハーデンを絶対的エースとするチームを作り上げたことで2人の蜜月関係が始まった。ハーデンが2021-22シーズン途中にネッツからシクサーズに移籍してきたのも、モーリーがシクサーズのバスケットボール部門代表にいることが大きな理由だった。

だが、2人が盟友だったのも過去のこと。新シーズンもシクサーズでプレーする選択肢は、今のハーデンにはない。だからこそトレード交渉の打ち切り報道には裏切られたという思いになったのだろう。そしてこの発言によって、シクサーズは交渉先に足元を見られ、より自分たちが納得する見返りを得てのトレード成立が難しくなった。

ただ、トレードが成立しないからと、ハーデンがこのままチーム合流を拒否し続けられるかと言えば微妙な側面もある。シクサーズの番記者を務めるショーン・バーナード氏が自身のSNSで、労使協定によって、もしハーデンがシーズン開幕から30日以内にチームに合流しなかった場合、シーズン終了後にFAになれない可能性があると指摘している。今回の爆弾発言が、ハーデンの去就にどんな影響を及ぼすのだろうか。