佐藤ヘッドコーチ「ディフェンスの強度が落ちなかったことが最後に効きました」
現在、東地区3位の川崎ブレイブサンダースが4月27日、ホームで同地区首位の千葉ジェッツと対戦。ペイント内の得点で42-28と上回るなど、ゴール下の肉弾戦で主導権を握り92-77で上位対決を制した。
試合の出だし、川崎は第1クォーターだけで3ブロックを記録したジョーダン・ヒースを軸にしたディフェンスに加え、ビッグラインナップで生まれたパブロ・アギラールのインサイドアタックで着実に加点して16-3と先手を取る。第2クォーターに入っても川崎ペースで試合は進むが、中盤にかけて安易なターンオーバー、フリースローのミスなどで突き放すチャンスを逃す。その結果、千葉に反撃を許すと、富樫勇樹にハーフコート付近からのブザービーターを決められ45-44と肉薄された。
後半も僅差の戦いが続くが、ここで川崎は立ち上がりと同じく守備から流れをつかんで均衡を破る。第3クォーター残り3分半を切ってアギラールのブロックからの速攻でマット・ジャニングがレイアップ。直後のポゼッションでもターンオーバー奪取から藤井祐眞が速攻を決めて6点のリードを奪う。このまま第4クォーターも川崎は強度の高いディフェンスを維持すると、このクォーターをわずか11失点に抑えることで千葉に反撃のきっかけを与えず地区首位の難敵を撃破した。
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「40分間、遂行力と強度の高いプレーができたと思います。特にディフェンスでずっと強度が落ちなかったことが最後に効いて第4クォーターで11点に抑えられたと思います」と、90点以上のハイスコアを挙げながら守備が大きな勝因になったと語る。
増田啓介「次の試合も相手にいやだと思わせるディフェンスをしたい」
今週末に地区2位のアルバルク東京との連戦を控える川崎は、残り試合を全勝すれば自力でチャンピオンシップのクォーターファイナルでホーム開催権を得られる2位に浮上できる。指揮官はこの明確なゴールができたことで、選手たちのメンタルに好影響を与えたと見ている。
「これまで相手次第だったのが、自分たちの力で地区2位をつかめる状況になったことをしっかりポシティブにとらえられています。この試合を含め残り5試合、チャンピオンシップのつもりで全部勝とうとミーティングをしたことが、今日の爆発に繋がったと思います。(コロナ禍によって)いろいろなことに振り回されるシーズンでしたが、自分たちがしっかりやればという状況になったことで、モヤが晴れたと思います」
第4クォーターで9分41秒とほぼフル出場し7得点を挙げるなど攻守で躍動した増田啓介は、このクォーターでの11失点に大きく寄与したディフェンスについて次のことを重視していた。「富樫選手、(クリストファー)スミス選手が相手のストロングポイントだと思うので、3ポイントシュートを打たせないようにしっかりと身体をつけてディフェンスすることをしっかり意識しました」
そして、地区2位浮上には連勝が絶対条件となる週末のA東京戦に向けて意気込みを語る。「今日のスミス選手のように田中(大貴)選手、小酒部(泰暉)選手とハンドラーになる選手がウイングにいるのでしっかりスカウティングして、相手に嫌だと思わせるディフェンスをする。オフェンスはチームでしっかりとボールと動かして空いたら思いっきりシュートを打つことを意識したいです」
3月の天皇杯制覇後、川崎は秋田ノーザンハピネッツに大逆転負けを喫し、1週間前には宇都宮ブレックスに64-68とオフェンス沈黙で敗退してた。そんな川崎にとって千葉相手の勝利は、先週までの悪い流れを払拭するインパクトをもたらせるものだ。これで勢いに乗りA東京に連勝できるかどうかは、チャンピオンシップの行方にも大きな影響を与える分岐点となる。
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