
Bリーグ選抜『B.LEAGUE UNITED』はNBL選抜に連敗
6月29日、『B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025』の第2戦がオープンハウスアリーナ太田で開催された。B.LEAGUE UNITED(Bリーグ選抜)はNBL SELECT(オーストラリアリーグ選抜)と対戦。終始リードを許しながらも粘り強く食い下がったが、69-78で敗戦となった。
B.LEAGUE UNITEDは第1戦と同じく、中村拓人、今村佳太、トロイ・マーフィージュニア、トビンマーカス海舟、ウィル・ベイカーの5人が先発を務める。序盤からフィジカルに仕掛けてくるNBL SELECTに対してディフェンスローテーションが後手に回って2-9とビハインドを背負うが、タイムアウトで仕切り直して逆転に成功。その後も積極的なペイントアタックでNBL SELECTに喰らい付くもイージーな失点を止められず、点差を縮めては突き放される展開が続く。
第3クォーター終盤にジョニビウス・スミスの3ポイントシュートで追い付き、第4クォーター終盤にも速攻から淺野ケニーのコーナースリーで5点差に詰め寄るなど見せ場は多数作ったものの、勝利には至らなかった。
B.LEAGUE UNITEDの指揮を執った水野宏太コーチは試合後にこう語る。「結果だけを見ると勝てなかったので悔しい思いは残っていますが、日頃のチームでの役割が違っても、それぞれの選手が持ち味を表現できる場にできたのは今回の醍醐味でした。選手は臆することなくチームのためにプレーしてくれたので、自分もコーチとして非常に楽しい2日間となりました」
「フィニッシュスキルを改善していかないと」
この試合でゲームチェンジャーの役割を担ったのが青森ワッツの池田祐一だった。先発ポイントガードの中村が巧みなボールキープから落ち着いてプレーメークをしたのに対し、池田はフットワークを生かしたディフェンスでボールを奪うとトランジションに持ち込み、スピードに乗った展開を作り出した。
その池田は第3クォーター残り4分、10点ビハインドの状況でコートに立つと、今村へのアシスト、激しいプレッシャーで相手のターンオーバーを誘うなど攻守に奮闘。ドライブからのキックアウトで淺野の同点3ポイントシュートをアシストした。
池田は、自身の持ち味を発揮した淺野へのアシストの場面をこう振り返る。「強くバスケットにアタックすることで相手を引き付けて、ああいうパスを出せればと思っていました。昨日、ケニーから『もっとコーナーで欲しいです』と力強い言葉をもらっていたので、そこはしっかり狙ってました」
第1戦は思うように力を発揮できなかったが、その反省が今回に生かされた。「昨日は周りの選手に上手くボール回してあげようとか、空回りして遠慮していた部分がありました。本来の自分プレーと照らし合わせると、『らしくない』プレーが多かったので、そこは改善しようと」
さらにメンタルの切り替えも鍵となった。「コントロールできる部分とできない部分がある中で、コントロールできる部分で100%のプレーをすると切り替えました。練習ができていないので、ピック&ロールの動きも自分がコントロールできない部分があると思い、マインドをクリアにして後半に臨みました」
B2からの招集となり、ベンチスタートだった池田にとって、この第2戦のクラッチタイムに起用されたこと自体が大きな勝利だと言える。ただ、出場時間が伸びたことでまた課題も見えた。「自分がB1に行く前に課題だと思っていたことが、この試合でも明確に出ました。ボール運びやパスではなく、フィニッシュスキルを改善していかないと。夏はそこを重点的にやっていきたいです」
「この強度をB1の前に経験できたのはポジティブ」
池田は当初の候補選手に入っておらず、緊急招集に応えての参加だった。「オフに入り、沖縄に帰省してる時に連絡をもらいました。最初は動けるか不安でしたが、良い経験になると周りからも言われましたし、僕自身もワクワクしたので参加を決めました」
高校生の時にハワイでの国際大会に参加したことがあるが、プロになってからは初めてだと言う。「上手くプレーしたいとか活躍したいとかより、『Bリーグでは絶対できない経験ができる』ことが大きかったです。NBLは本当にレベル高いので、 そういう選手たちとやれること自体、本当に良いことです」
そのレベルの高さを実際に肌で感じた。「ディフェンスは常にハイプレッシャーで、駆け引きがすごく上手かったです。少しのやり合いの中でも学ぶことが本当に多かったので、これからのステップアップに生かしていきたい」
池田は今オフに越谷アルファーズへの移籍を決め、来シーズンは初めてのB1挑戦となる。「この強度をB1の舞台に立つ前に経験できたのは、 僕の中ではポジティブな要素しかありません」
それとともに、4シーズンを過ごした青森の感謝も忘れてはいない。「昨日も今日も僕の青森のグッズを持って応援していただいて、あらためて青森でプレーできたことに本当に感謝しています。これからB1の舞台に行くので、トップレベルでバチバチ戦って、プレーで恩返ししていきたいです。明日でシーズンが一区切りなので、最後に青森ワッツの選手として良いパフォーマンスを見せられました」
今回の試合は青森のブースターに限らず多くのファンが池田のプレーに注目する場となった。特に普段はB1しか見ていないファンに良いインパクトを残したことが、B1でのキャリアを切り開く上でプラスに働くはずだ。
B2アシストキングのパスが光る✨
— B.LEAGUE(Bリーグ) (@B_LEAGUE) June 29, 2025
#7 池田→#14 淺野ラインに続き#30 スミスも沈め同点に!@aomori_wats@asanokenny @gunmacrane3ders
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