ジミー・バトラー

ケガを抱えるも「これはプレーオフで彼はバトラーだ」

現地4月28日、ウォリアーズはロケッツとの第4戦を109-106で制した。これでウォリアーズは3勝1敗、カンファレンスセミファイナル進出に王手をかけた。

ウォリアーズのジミー・バトラーは、第2戦で負傷退場し、第3戦を欠場していたが、この試合で戦線復帰。それでも前半は18分の出場で4得点と目立たず、第2クォーターに守備の要であるドレイモンド・グリーンがファウルトラブルに陥ったこともあり、チームは苦しい戦いを強いられた。

ステフィン・カリーも厳しいマークを受けていたが、バディー・ヒールドがハンドラー役を務め、ブランディン・ポジェムスキーが前半だけで13得点と『脇役』の力もきっちり使うことで、ロースコアの展開に持ち込まれながらもロケッツに主導権を渡さず食らい付いた。

第3クォーターは差が付かず、82-80で迎えた第4クォーターも一進一退の攻防が続く。それでも同点で迎えた残り1分にバトラーが3ポイントシュートを放つ際にファウルを受け、フリースロー3本すべてを成功させてウォリアーズが一歩抜け出す。

ロケッツはここでターンオーバーなど手痛いミスが続き、1点ビハインドで迎えた残り13秒での攻めでは、タイムアウトを使ったにもかかわらずチームでチャンスを作り出せず、この試合で31得点を挙げたアルペラン・シェングンの個人での打開に託すことになった。

このシェングンのドライブをグリーンが身体を張って阻止。ペイントエリアの侵入を許さずタフショットを打たせると、そのこぼれ球をバトラーが確保。その後のファウルゲームでのフリースローもバトラーは落とさず、試合を決めた。

バトラーは40分の出場で27得点5リバウンド6アシスト、フリースローは12本すべてを決めており、ロースコアの展開での効率の良さ、勝負強さが光った。指揮官スティーブ・カーはバトラーのコンディションについて「レギュラーシーズンだったら1週間から2週間は欠場していただろう」と万全ではないことを明かすも、「だがこれはプレーオフで、彼はジミー・バトラーだ」と、ためらうことなく起用している。

そのバトラーはコンディションについて「大丈夫とは言わないが、これは勝利のためには良い痛みなんだ。痛みを感じることはあっても、僕は35歳のベテランで、こういう場合にどう対処すればいいかは分かっている。次の試合に向けてしっかり治療を受け、しっかり休む。あとはドミノピザとコーヒー、子供たち。それが勝利の秘訣だ」

ケガを抱えながら40分間ハードワークを貫いたバトラーは、コート上のインタビューで「僕はこのチームが好きだ。プレーする喜びを取り戻させてくれた」と語る。奇しくも前所属のヒートが敗退したこの日に『プレーオフ・ジミー』の本領発揮。単純な比較はできないが、バトラーの勝負強さをあらためて証明する一日となった。