ラッセル・ウェストブルック

ナゲッツの指揮官交代がウェストブルックに影響?

ラッセル・ウェストブルックは昨年夏にナゲッツと2年680万ドル(約10億円)の契約を結んだ。その1年目を終えた今、彼はプレーヤーオプションの2年目を破棄し、フリーエージェントとなる見込みだ。

今シーズンのウェストブルックは75試合出場で13.3得点、4.9リバウンド、6.1アシストを記録。36試合で先発を任され、トリプル・ダブルを4度記録して、36歳にして『復活のシーズン』となった。

その一方で、彼にとって居心地が良くはないであろう出来事もあった。レギュラーシーズン残り3試合というタイミングでナゲッツは指揮官マイケル・マローンを更迭した。若手を育てずにベテランを重用するマローンの姿勢をフロントが問題視しての解任劇で、すぐにプレーオフが始まったことで、チームが大きく改革されることはなかった。それでもアシスタントコーチのデビッド・アデルマンの下では、2年目のジェイレン・ピケットやジュリアン・ストローサーの出場機会が増え、若手重視の姿勢がうかがえた。

ウェストブルックの起用法に大きな変化はなかったが、攻守のハードワークで流れを引き寄せる一方、予想外のミスもある彼のプレースタイルを理解し、重要な役割を託していたマイケル・マローンは、すでにチームを去っている。ウェストブルックは自身のスタイルを十分に理解しない指揮官の下では本領を発揮できない過去があるだけに、今回の監督交代が去就に影響を与えた可能性は十分に考えられる。

2019年にサンダーを離れた後、ロールプレーヤーの役割を受け入れてからは最良のパフォーマンスを見せたシーズンだけに、新たに条件の良い契約を得られる可能性もあるが、彼としては自分のプレースタイルを理解し、本当の意味で必要とするチームをどう見付けるかが重要となる。

選手層に課題を抱えるナゲッツとしては、ベンチで2人分の働きを見せるウェストブルックを失うのは大きな痛手だ。ウェストブルックに新たな契約を与えて残留させることも可能だが、サラリーキャップに余裕はないだけに昇給を要求されると合意は難しくなる。

ナゲッツにとってもウェストブルックにとっても、今後を大きく左右する今オフの重要な決断となるだろう。