ジャクソン・ヘイズ

先発センターに据えられるもプレーオフでは「力不足」

ジャクソン・ヘイズにとってNBAキャリア6年目の今シーズンはアップダウンの激しいものになった。ペリカンズで4シーズンを過ごした後、2年460万ドル(約6億9000万円)の契約をレイカーズと結んでの2年目、前半戦はプレータイムの安定しない控え選手だった彼は、ルカ・ドンチッチを獲得するトレードでアンソニー・デイビスが放出されたことで、先発センターに抜擢された。

それまで平均16分だった彼のプレータイムは23分まで伸び、それに合わせてスタッツも伸びた。しかし、良い時期は長くは続かない。プレーオフを前にレイカーズはドリアン・フィニー・スミスやジャレッド・バンダービルドを起用するスモールラインナップの時間を増やしていく。プレーオフでのヘイズは5試合中4試合に先発するも、プレータイムはわずか7.5分と、デイビスの控えだった昨シーズンの6.0分と変わらないレベルだった。

レイカーズはティンバーウルブズ相手に1勝4敗でファーストラウンド敗退。シーズン最後の取材対応で彼は、悔しさよりも茫然の面持ちでこう語っている。「チームの状態は良かったし、僕もオールスターブレイク後に調子を上げていた感じだったから、あっさり負けたことに現実感がないんだ」

「僕のパフォーマンスが十分ではないから他のことを試してみる、というのがコーチの決断であり、『でも準備は怠らないように』と言われていた。それがコーチの決断であれば、僕は受け入れるしかない」

ヘイズはサイズと機動力を兼ね備えてハードワークできるセンターだが、3ポイントシュートがないことでスペーシングにも難があり、安定感も十分ではなかった。それまでヘイズの可能性に賭けたが、プレーオフで攻守の強度が増す中では力不足だと判断して、より経験のあるフィニー・スミスやバンダービルドへと切り替えた。

「ディフェンス面で成長し、ただの控えではないことを証明できた。まだ改善すべき点は多いけど、僕はもっとプレーできる」とヘイズは言う。ただ、それはレイカーズとは別のチームでのことになるだろう。25歳のヘイズが安いサラリーを受け入れたのは、出場機会を得て選手としての価値を上げるためだ。チーム事情に起用法が左右され、肝心なところでプレーできないチームに残る意味はない。

シーズン終了の時点では「プレーオフに集中していたから、フリーエージェントについては何も考えていなかった」と語っていたヘイズは、今はこの2シーズンを振り返りながら、次なる挑戦に思いを巡らせていることだろう。