キャリア2年目で守備のスペシャリストとして認められたマティース・サイブル、オフェンス面での成長がシクサーズを救うカギに

キャリア2年目で守備のスペシャリストとして認められたマティース・サイブル、オフェンス面での成長がシクサーズを救うカギに

2021/08/28 17:00
マティース・サイブル

シュート力が向上すれば『シクサーズに不可欠な選手』に

セブンティシクサーズの今オフはベン・シモンズのトレードの話でもちきりとなっており、ジョエル・エンビードの契約延長以外は新シーズンに向けたポジティブな話題がなかなか出てこない。しかし、NBAで3度目の開幕を迎えようとしているマティース・サイブルは注目に値する伸び盛りのプレーヤーだ。

ワシントン大で4年生までプレーしたサイブルは、1年目から即戦力の期待に応えてアグレッシブなディフェンスを見せ、2年目の昨シーズンを終えてオールディフェンシブチームに食い込んだ。レギュラーシーズンを通じてのスティール数105はTJ・マッコネル(128)、ジミー・バトラー(108)に続くリーグ3位の数字。しかし、マッコネルが1800分、バトラーが1745分出場しているのに対し、サイブルは1300分しかプレーしていない。こうしてオールディフェンシブチームの投票でカワイ・レナードを上回る票を集めるに至った。

プレーオフのファーストラウンドではウィザーズのブラッドリー・ビールをマークしつつラッセル・ウェストブルックをスローダウンさせる重要な働きをこなした。セミファイナルではホークスのトレイ・ヤングと、NBAでも屈指の得点力を持つエースをマーク。もはやディフェンス面では誰が相手でも恐れることはない。シーズンを終えて彼は「ビールやヤングとのマッチアップが僕を大きく成長させてくれた」と語っており、さらにオーストラリア代表として出場したオリンピックでも良い経験を積んでいる。

シクサーズがもう一つ上のレベルに行くために、誰に期待を寄せればいいか。エンビードにこれ以上の負荷は掛けられないし、シモンズはチームに残ったとしても自信を取り戻し、周囲との関係性を再構築しなければならないため、大幅に後退したところからのスタートとなる。

伸びしろはサイブルにある。彼が8試合しかなかった先発起用を増やし、平均18.3分だったプレータイムを伸ばせば、その特徴はより多くコートに反映される。シモンズがトレードされれば、彼が先発を任されることになりそうだ。しかし、本当の意味でチームにメリットをもたらすには彼がただプレータイムを伸ばすだけでなく、彼自身の成長も求められる。

シモンズのクリエイト能力を生かすために、またエンビードがプレーしやすいようインサイドにスペースを作り出すために、シクサーズには優れたシューターが必要だ。そのためにダニー・グリーンやセス・カリーがいるのだが、彼らのディフェンス力はサイブルには遠く及ばない。ただ、サイブルもまた3ポイントシュートで彼らに劣る。昨シーズンの3ポイントシュートは平均2.2本を打って成功率は30%。これを優秀なシューターの基準とされる40%まで上げるのは難しいとしても、そこに近い数字まで上げたい。

インサイドアウトでチャンスを作る力はシクサーズにはある。グリーンのように1試合平均6本も7本ものシュートを打つ必要はなく、1試合に何度か巡って来るワイドオープンのチャンスをそれなりの確率で沈めればいい。得意なプレーではなくても改善はできる(少なくともシモンズよりは期待できる)。オリンピックにより短いオフにはなったが、彼がさらに上のプレーヤーになるためには、シュート力の向上は欠かせない。

最前線から当たりディフェンスからチームにリズムをもたらすポイントガードにもなれるし、相手のエースを封じるウイングディフェンダーにもなれる。欲しいのは得点力で、大量得点を挙げなくてもチャンスを確実に決められるようになれば現時点では十分な成長となる。昨シーズンは4.3得点。プレータイムを伸ばし、オープンのチャンスを確実に決めることで、この数字は倍増するはずだ。シモンズの去就を含めてチーム編成がどうなろうと、サイブルの成長はシクサーズにとって非常に重要となる。

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