スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。
皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください。ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう。またケガの予防や対処の知識を得るには、誰でも無料で、スマホで簡単に見ることのできる『バスケ手帳』がお勧めです。
[Q]靭帯損傷した足首をかばって、他の部分に痛みが出てしまいました。
1年前に足首を靭帯損傷しました。そこは治ったのですが、今度は急性腰痛や膝の痛みがあります。多分、足首をかばってそのようになったと思いますが、予防などの対処方はありますか?
[A]股関節周りのストレッチ、トレーニングをした方が良いと思います。
足関節捻挫後の不具合ということですね。ご質問の通り、足関節捻挫後に他の部位に影響を及ぼすことが時々あります。足関節の捻挫後の初期治療が上手くいかなかったり、捻挫を繰り返したりする選手が、膝の前十字靭帯を損傷してしまう確率が上がるというデータがあります。
また、足関節捻挫を繰り返す選手は、股関節の外転筋力(横向きに寝て、下肢を床に垂直に挙げて足を開く動き)が落ちていることが多いという話もあります。従って、足関節の捻挫を起こした時は整形外科に行き、靭帯の損傷の状況を正確に把握してしっかり治療しなければならないことは大前提ですが、その後の復帰に向けて股関節周りや膝のトレーニングもしっかりやる必要があるということです。
そして、この質問の答えとしても、股関節周りのストレッチ、トレーニングは必ずした方が良いと思います。たかが捻挫、されど捻挫です。
ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
vol.13「ブロックに行ったら、相手が頭から落ちてしまいました」
vol.14「相手の肘が当たり、歯が2本折れてしまいました」
vol.15「突き指をした数カ月後に、関節の形や向きが変わった」
vol.16「コロナ禍での練習は、マスクを着用すべきでしょうか」
vol.17「遠征中に足首を捻ってしまい、応急処置を教えてください」
vol.18「壁にぶつかってしまい、肩に痛みと違和感があります」
vol.19「相手と接触して目を切ってしまい、血が出てきました」
vol.20「10年ぶりに草バスケを再開するのですが、ケガが心配です」
vol.21「疲労骨折を早く治す方法はありますか?」