狩野祐介

文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部、B.LEAGUE

滋賀レイクスターズはここ2シーズン、終盤に勝ち星を重ねる粘り強い戦いぶりで、残留プレーオフを回避している。それでも、飛躍を期す3年目の開幕を前に『チームの顔』だった並里成が移籍を選んだ。そんな滋賀で牽引役として期待されるのが狩野祐介だ。高校時代の先輩後輩だった並里とのホットラインはなくなるが、勝負強いシューターとして、そしてチームリーダーとして狩野の存在感は増している。狩野はこの夏にスポルディングとブランドアンバサダー契約を結び、広告に登場する他、商品開発へのアドバイスも行うことになった。そのスポルディングのパーティーに出席した狩野に、新たなシーズンに向けた意気込みを聞いた。

「一緒にもっとメジャーになっていきたい」

──スポルディングとアンバサダー契約を結んだ経緯を教えてください。

僕自身、狩野祐介という名前をもっと売っていきたい思いがあって、インスタグラムなどをもっと頑張っていきたいと思っていたんです。今シーズンから、デザイナーというかアパレル関係の仕事をされている方と一緒にインスタグラムをもっと盛り上げていこうとなりました。スポルディングさんのウェアを見てカッコ良いなと思い、そこから知り合いの方を通して話を持って行くことができたんです。

──ビジネスの話より先に「カッコ良いな」があったんですね。狩野選手にとって、スポルディングの魅力はどんなところでしょうか?

一番はやはり、「NBAはスポルディング」というところですよね。ボールも試合球ですし、世界に通用するメーカーだと思います。その中でも僕はウェアが気に入ってます。カラフルなものもあるしシンプルなものもある。デザインも素晴らしいですし、着たいなと素直に思いました。一緒にもっとメジャーになっていきたいし、なっていけるのではないかなと思っています。

──オフはどのように過ごしてますか?

福岡出身で、滋賀に行く前は東京でプレーして、お世話になった方々や応援してくださってる方々への挨拶回りが多いです。今年は特に慌ただしく、予定がない日はほとんどないです。でもオフらしいことと言えば家族でバーベキューしたり、好きな海釣りに行ったりもしました。

狩野祐介

並里の移籍は「プロの世界なので仕方のないこと」

──並里選手の移籍は関係者、ファンともに驚きました。高校時代の先輩後輩ということもあり、狩野選手は特に親しい間柄だったと思いますが、この移籍をどう受け止めていますか?

出ることは知っていたんですけど、琉球ゴールデンキングスに行くというのは知らなかったですね。僕が並里選手だったら地元でできるというのはうれしいですし、お子さんも沖縄にいるので環境としては良いと思います。寂しいですけど、プロの世界なので仕方のないことです。並里選手も琉球で頑張るだろうし、僕たちも並里選手がいなくなった穴を新しく来たメンバーでカバーして戦わなきゃいけないです。

──絶対的な司令塔がいなくなったことで、狩野選手への期待は増えますね。

負担が増えると思われてるかもしれないですけど、新しく来たメンバーはみんなシュートが上手いですし、逆にチームバスケットをもっとやっていければ僕の負担も減ると思います。そんなに気にはしていないですね。

──リーダーシップという面でも並里選手の抜けた穴は大きいかと思いますが、その結果「自分たちがやるんだ」という意識がより強くなったのではないでしょうか?

それももちろんありますね。並里選手が攻めていた分、自分たちがもっと積極的に行かなくちゃいけないですし、そういった面でも成長できるかなと思います。新しくチームメートとなったベテランの選手たちから学びつつ、練習も頑張っています。ネガティブには捉えていないですね。

狩野祐介

「40分間継続できるようにすることが目標」

──3年目のシーズンを迎えますが、個人的な目標は何かありますか?

毎シーズン、シュート本数とかパーセンテージを気にしていたんですけど、気にするとダメということが分かってきました。気にせずにやっている時が僕は一番調子が良いし、結果も残しているので、そういった面で数字は気にせず、自分のできることを精一杯やって結果を受け止めようかなと思います。

──結果という意味では、チームは終盤に強さを発揮し2年連続で残留プレーオフを回避しました。

本当に最後の最後、4月くらいですかね。驚異の力を見せることができました。中盤に調子を落としていたので、4月のようなすごい力を中盤から出せられるようにしていきたいです。

──初年度もそうでしたが、終盤戦の滋賀のあの強さはどこから来るのでしょうか?

なかなか難しいですね、正直分からないです(笑)。やっていることはそれほど変えてはいないので、気持ちの面じゃないかと思います。やはり40分間継続できるようにすることが今シーズンの目標ですね。そして残留争いをするのではなく、上の戦いをしたいです。まずはチャンピオンシップ出場を目指します。