写真=Getty Images

得点ランクの1位と2位は日本を相手に大量点を挙げた2人

リオ五輪の女子バスケットボール競技は予選ラウンドを終えて一段落。ここでスタッツを見てみよう。

得点ランキングは1位がエリザベス・キャンベージ(オーストラリア)の112点、2位がラトーヤ・サンダース(トルコ)の110点と、日本を相手に大量得点を奪った2人が上位を占める。3位は93点のアルバ・トーレンス(スペイン)で、続く4位にAKATSUKI FIVEの渡嘉敷来夢が88点でランクインした。

アシストでは吉田亜沙美が44を記録してランキング1位。2位のスー・バード(アメリカ)の30に大差を付ける独走ぶりだ。ただしターンオーバーの回数は吉田の18に対しバードはわずか3と安定感では後者に分がある。また吉田はスティールでも12を記録し4位に入った。

日本の生命線である3ポイントシュートの成功数では栗原三佳がディアナ・タウラシ(アメリカ)と並び20本を決めてトップ。ただ、栗原は50%(40本中20本)と確率も良いものの、タウラシは60.6%(33本中20本)とその上を行く。3ポイントシュート成功率になると1位は70%(10本中7本)のマルタ・シャルガイ(スペイン)で、栗原は5位となる。

他には本川紗奈生がフリースロー成功率86.7%(15本中13本)で4位につけている。

日本代表の司令塔である吉田は、5試合で44アシストという数字をたたき出しアシスト数トップを走っている。

出場時間をシェアするチームUSAはチームスタッツで圧倒

興味深いのは主要スタッツの上位にアメリカの選手がほとんど入っていないこと。これには理由がある。タレント揃いの『チームUSA』は予選ラウンドを通じてローテーション起用を徹底しているのだ。

絶対的な司令塔であるはずのスー・バードでも平均21分強の出場にとどまっている一方で、最もプレータイムが少ないタミカ・キャチングスでも平均11.7分の出場。準々決勝のアメリカvs日本に向け、中1日のアメリカに対し日本は中2日と有利だが、実際コンディションに差はないと見たほうがいいだろう。ちなみにWNBAのシアトル・ストームで渡嘉敷をベンチに追いやったスーパールーキーのブリアーナ・スチュワートはチームで2番目にプレータイムが短い12.6分。

もっとも、プレータイムをシェアした結果として個人スタッツでは目立たないアメリカも、チームのスタッツとなれば圧倒的だ。フィールドゴール成功率は57.7%(350本中202本)で、2位オーストラリアの46%(311本中143本)、3位の日本の45.5%(332本中151本)を大きく上回る。

得点数520も圧倒的。2位のオーストラリアでさえようやく400点に乗せたところで、その他10チームは300点台にとどまっている。同じくアシストでもアメリカは151を記録。2位オーストラリアが111と大差が付いた。日本は個人スタッツで吉田がアシスト首位に立つも、チームのアシスト数94は5位の数字となる。

チームUSAはプレータイムのシェアを徹底している。スー・バードもベンチで余裕の表情。
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