「3連戦はタフで、スターターを休ませたかった」
『FIBA女子アジアカップ2025』 の2日目、バスケットボール女子日本代表はフィリピン代表に85-82と辛くも逃げ切った。
日本は初戦で格下のレバノン相手に序盤で出遅れると、そのまま波に乗り切れず72-68となんとか勝利を収めた。この悪いイメージを払拭すべくフィリピン戦は、出だしから攻守の素早い切り替えから3ポイントシュートをテンポよく放っては高確率で沈め、第1クォーターで31-20と先手を取る。その後も日本ペースで試合を進め、第3クォーター終了時には20点の大量リードを奪った。
このまま圧勝し、難敵オーストラリアとのグループリーグ最終戦へ弾みをつけたい日本だったが、第4クォーターに失速してしまう。ベンチメンバーで臨んだ中、攻守ともにプレーの遂行力が一気に落ち、フィリピンに自ら流れを明け渡してしまう。その結果、セーフティリードを保っていたとはいえ、第4クォーターで8-25と圧倒される後味の悪い終わり方となった。
コーリー・ゲインズヘッドコーチは「最初の3クォーターは話していたことができました。シンプルなプレーをし、ボールと人が動く。オープンの選手を探し、イージーシュートを打てていました。それが第4クォーターは規律を失い、やりたいことができなかったです」と試合を振り返る。
そして、明らかに流れが悪い中でも試合を作った主力を最終クォーターに戻さなかった理由として、コンディションを挙げた。「3連戦はタフで、スターターを休ませたかったです。また、彼女たちは10分以上もベンチに下がっていて、身体もクールダウンしていたのでコートに戻すのは難しいです。その結果、あのような状況になってしまいました。ただ、追いつかれる心配はしていなかったです。12人全員を信頼しています」
「自分のところでアドバンテージを作れるように」
この試合、キャプテンの髙田真希は、15分51秒のプレータイムで3ポイントシュート6本中5本成功の20得点3リバウンドの活躍で日本代表の先制パンチを引き出す立役者となった。髙田個人として申し分のないプレーだったが、チームとしては消化不良の内容に「自分たちに流れが来ている時間帯、点差が離れている時間もありましたが、自分たちのミスから相手に得点されたり、リバウンドやルーズボールを取り切れないところが目立っています。最後の頑張りがまだ足りない感じがします」と厳しい評価だ。
今日のオーストラリア戦は勝てばグループリーグ1位通過となり、準決勝まで中3日とコンディション面でも大きな恩恵が受けられる。コアメンバーがWNBAのシーズン中で不在のオーストラリアだが、ここまでフィリピンに115-39、レバノンに113-34と圧勝と、日本とは対照的なハイパフォーマンスを見せている。
「オーストラリアはすごくコンディションも良く、これまでの相手よりタフで身長もあり、フィジカルも強いです。アグレッシブにドライブに行き、外回りも確率よく決めています。この2試合よりもタフな戦いになると思います」。こう髙田はオーストラリアの印象について語ると、「危機感はあります。これまでの内容は良くないですし、優勝を目指している中でのこういうゲームはあまりよくないです」とより一層、気を引き締めている。
これまでの内容を見れば、オーストラリア優位の予想とならざるを得ないが、日本にとって勝てない相手ではない。「苦しい内容ですが、自分達も勝っています。一つひとつ勝つことがすごく大事です」と、高田も経験不足のチームが勝ち切れたことで得られた収穫も大切にしている。
そして、自身のプレーでチームを鼓舞していきたいと闘志を燃やす。「コンディション、シュートの調子も良いので、空いたらしっかりと打っていきたいです。外のシュートに対しオーストラリアはしっかりアジャストしてくると思うので、そこで良い判断ができるように。空いたらシュートを打ちますし、ドライブを仕掛けてたり、自分のところでアドバンテージを作れるようにしていきたいです」