[指揮官の全選手紹介]リオ五輪で世界に挑むバスケットボール女子日本代表12名

2016/08/05
日本代表
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦、Getty Images

内海知秀ヘッドコーチによるコメント付きで12選手を紹介

リオ五輪の開幕まであと1日半! 女子日本代表の初戦は8月6日(日本時間の8月7日朝)のベラルーシ戦。7月上旬にセネガルを招いての壮行試合を戦った後、7月17日に日本を発ったチームは、アルゼンチンとブラジルで最終調整を行い、万全の準備を整えてオリンピック開幕戦を迎えようとしている。

出発前に内海知秀ヘッドコーチが話してくれたコメントも含め、「メダルへの挑戦」に向かう12選手を紹介する。


12 吉田亜沙美
1987年10月9日(28歳)165cm/61kg
東京都出身
JX-ENEOSサンフラワーズ所属

コートネームは[リュウ]。昨年のアジア選手権でも周囲を圧倒する実力を見せた、アジア最高のポイントガード。相手のプレッシャーをモノともせず前線へボールを運び、鋭いパスで攻撃を組み立てる。超アグレッシブな守備も持ち味で、攻守両面で日本のバスケットを支える存在だ。
内海ヘッドコーチはキャプテンへの絶対的な信頼をこう語る。「ゲームを作って周囲を生かしてくれる選手、ゲームをコントロールする意味で重要な選手です。吉田が良いパスを出すことで、周りの選手もそれに応えて活躍する。日本の中心となる存在です」


13 町田瑠唯
1993年3月8日(23歳)162cm/57kg
北海道出身
富士通レッドウェーブ所属

コートネームは[ルイ]。吉田より小柄ながらスピード溢れるドライブで相手守備組織を切り崩し、テンポ良いパスでアシストを量産する若き司令塔。U-19世界選手権で大会ベスト5とアシスト王に選出された2011年以降、順調に実力を伸ばし、ポイントガードの2番手としてAKATSUKI FIVEに定着した。
「吉田の控えとして、出てすぐにしっかりとプレーできる選手です。ここ何年かですごく伸びています。スピードでは吉田と比べても遜色がないぐらい。ゲームコントロールもよくやってくれます」(内海ヘッドコーチ)


9 三好南穂
1993年12月21日(22歳)167cm/60kg
千葉県出身
シャンソンVマジック所属

コートネームは[サン]。2014年のアジア競技大会で代表デビュー。冷静なゲームメークに加え、ここぞの場面で決める3ポイントシュートを武器とする。内海ヘッドコーチが期待するのも、この3ポイントシュートだ。「使い方としては1.5番。ポイントガードとしての役割もありますが、どちらかと言うとシューターとしての働きを託すことになると思います」
世界と戦う上で日本の生命線となる3ポイントシュート。その能力を買われて代表入りを果たした三好には、点が取れない局面で果敢にチャレンジする積極性が求められる。


14 本川紗奈生
1992年4月2日(24歳)176cm/65kg
北海道出身
シャンソンVマジック所属

コートネームは[イチ]。果敢に1対1を仕掛け、ドライブで切り込んでいっても良し、3ポイントシュートを狙っても良しの点取り屋。少しでも離したら3ポイントシュートを打たれ、近付けばドリブルでかわされるという、ディフェンスからしたら非常に止めにくいシューティングガードだ。昨シーズンのプレーオフで負った故障が長引いたが、何とか回復が間に合い、スターターとしてリオ五輪に参戦する。
内海ヘッドコーチもレギュラーとしての本川には大きな期待を寄せる。「本川はドライブイン。このチームの中でやっぱり切り込み隊長として期待しています」


4 近藤楓
1991年10月6日(24歳)173cm/62kg
愛媛県出身
トヨタ自動車アンテロープス所属

コートネームは[メル]。2014年にトヨタ入りすると1年目からレギュラーとして活躍。堅実な守備のできるシューティングだが、何よりも強力なのは3ポイントシュート。7月のセネガル戦でも短い出場時間の中で、どんな形からでもシュートを打ち切る持ち味を出して存在感を発揮した。
「近藤もシューターとして、日本の生命線である3ポイントシュートの部分に期待しています。他の選手に比べると、一対一でディフェンスを崩しながらシュートを打つことができるので、そこは特に期待しています」(内海ヘッドコーチ)


7 栗原三佳
1989年5月14日(27歳)176cm/68kg
大阪府出身
トヨタ自動車アンテロープス所属

コートネームは[ソウ]。波はあるものの勢いに乗ると止まらない高精度の3ポイントシュートを武器とする。内海ヘッドコーチが求めるのもこの部分。「栗原はキャッチ&シュートで、自分が打てるところでパスをもらって打つタイプ。スタートで出て安定して3ポイントシュートを決められる力があります」と期待を寄せる。
合宿期間中に評価を高め、スモールフォワードのレギュラーとしての起用が濃厚。3ポイントシュートだけでなく、リバウンドやルーズボールへの積極的な飛び込み、攻守にきっちり走り切るエネルギッシュなプレーを存分に発揮してもらいたい。


5 宮澤夕貴
1993年6月2日(23歳)182cm/70kg
神奈川県出身
JX-ENEOSサンフラワーズ所属

コートネームは[アース]。所属クラブで4番から3番にコンバートされ、ランニングリバウンドなどフィジカルの強さを生かしたプレーが持ち味。スモールフォワードの選手の中では上背があるため、世界の高さに対抗する点で期待される。さらにシュートスタイルもダブルハンドではなくワンハンドシュートで、打点が高くブロックされにくい利点を備えている。
内海ヘッドコーチも「大型フォワードとしてオールラウンダーな働きを求めます」と期待を語る。「このところ3ポイントシュートも打てるようになってきていますし、リバウンドでも頑張ってくれると思います」


11 長岡萌映子
1993年12月29日(22歳)182cm/75kg
北海道出身
富士通レッドウェーブ所属

コートネームは[モエコ]。昨年のアジア選手権はケガで欠場したが、サイズを生かしたパワフルなプレーでアピールし、五輪メンバーの座を勝ち取った。3番ポジション(スモールフォワード)のスターターはシューターの栗原が濃厚だが、このポジションで高さとパワーが求められた時が長岡の出番となるだろう。
内海ヘッドコーチも「リバウンドの強い選手で、そこに期待しています」と言う。「オールラウンドな選手なので、3番と4番、両方のポジションで活躍してくれると思います」


10 渡嘉敷来夢
1991月6月11日(25歳)193cm/85kg
埼玉県出身
JX-ENEOSサンフラワーズ、シアトル・ストーム所属

コートネームは[タク]。抜群の運動能力を生かして、得点、リバウンド、ブロックと圧倒的な力を見せ付ける日本のエース。アジアでは敵なしの存在であり、ここ2年はWNBAに参戦し、世界レベルの戦いに身を置いてさらなるレベルアップを遂げている。
内海ヘッドコーチは渡嘉敷への期待を「日本の一番のウィークポイントとなるリバウンドの部分、高さです」と語る。「渡嘉敷の高さは世界の選手たちも気にするはず。あとはインサイドの、ゴールに背を向けるのではなく、ゴールに向かってドライブインするプレーで、髙田とともにインサイドの攻撃を厚くしてもらいたいです」


8 髙田真希
1989年8月23日(26歳)183cm/78kg
愛知県出身
デンソーアイリス所属

コートネームは[リツ]。パワーとスキルを兼ね備えた、AKATSUKI FIVEの得点源にしてWリーグ得点王で、どんな状況でもコンスタントに得点を積み上げる安定感が持ち味。渡嘉敷不在の間はパワーフォワードのレギュラーを任され、エースとしての期待に応えてきたが、リオ五輪ではシックスマンとしての働きが期待される。
ベンチスタートではあっても「リオでは髙田の出場時間は長くなるはず」と内海ヘッドコーチは明言する。「シックスマンの役割はアジア選手権でも経験していますし、総力戦という中では非常に心強い選手です」


6 間宮佑圭
1990年4月3日(26歳)184cm/75kg
東京都出身
JX-ENEOSサンフラワーズ所属

コートネームは[メイ]。不動のセンターであり、代表チームのリーダーの一人。高さでの真っ向勝負では分が悪いものの、足と頭を使った粘り強いディフェンス、ゴール下だけでなくミドルレンジからも狙える得点力で世界と渡り合う。本人独特の表現によれば「コソコソと自分の仕事をやります」とのこと。
内海ヘッドコーチは「あまり目に見えないところでもよく頑張る選手。点を取っていきながらリバウンドもしっかり取り、当たりに強い選手です」と間宮に大きな信頼を寄せる。


15 王新朝喜
1987年12月16日(28歳)189cm/83kg
中国天津市出身
三菱電機コアラーズ所属

コートネームは[ワン]。高校から日本で過ごし、2013年に日本国籍を取得して代表入り。サイズに秀でたパワフルなセンターで、当たりの強さと高さを生かしたリバウンド、相手に寄せられてもしっかり決め切るフックシュートを武器とする。
内海ヘッドコーチが期待するのも「海外の選手に負けないぐらいのパワー」という部分。「そんなに長く起用することにはならないかもしれませんが、要所要所で王の高さや身体の幅、パワーが必要になってきます」


内海ヘッドコーチは大会に向けた抱負をこう語る。「これまで『メダルへの挑戦』ということで、練習と国際試合、遠征を積み重ねて作り上げてきたものを、しっかりと本番で出したいと思います。目指すのはメダル獲得ですが、我々は挑戦者であるということを忘れず、大会に臨みたい」

日本にとっては2004年のアテネ大会以来の五輪出場。この時にチームを率いたのも内海ヘッドコーチだった。選手は全員が五輪初挑戦となるが、指揮官には12年前の経験がある。若いチームと老練な指揮官の組み合わせが、オリンピックという大舞台で化学反応を起こすことを期待したい。