スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください(ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう)。
[Q]思いっきりブロックに行ったら、相手が頭から落ちて泡を吹き出してしまいました。
久々にみんなでバスケットを楽しんでいた時に、私が思いっきりマークマンにブロックしに行ったら入りどころやタイミングが悪く、相手が頭から落ちて泡を吹き出してしまいました。私は固まってしまい何もできずにいましたが、その後すぐに救急車を呼びました。そのようなアクシデントが起きた時は、どういった対処をするのが適切なのでしょうか?
[A]その場から動かさないようにして救急車を呼びましょう。
ラグビーのおかけで有名になりましたが、これは『脳しんとう』の症状です。ラグビー業界では『魔法の水』と言われたやかんの水を頭にかけて、すぐに試合に復帰するということがありましたが、今やそれは非常識となりました。
バスケでも不可抗力ですが、タイミングでコンタクトしてしまう時があります。『脳しんとう』になった選手がいても、頭部の外傷か、頚部の外傷かは分かりませんので、その場から動かさないようにして、救急車を呼びましょう。
このようなことは、明日にでもあり得ますので、『バスケ手帳』の生死に関わる障害のページを見てください。脳しんとうの初期対処方法が記載されています。また、審判の方やご指導をしてくれる方々にも、この知識を共有していただけるとありがたいです。
ケガ予防のQ&A
vol.1「オスグッドでの膝の痛み、どんな対処をすべき?」
vol.2「背を伸ばすのに効果のあるメニューはありますか」
vol.3「足首の捻挫がクセになっていますが、治せますか」
vol.4「慢性的に腰が痛く、シュートを打つ時に痛みます」
vol.5「脱臼を繰り返しています。手術すべきでしょうか」
vol.6「成長期の選手がやっておくべきトレーニングは?」
vol.7「プレー中に腰が痛みます、椎間板ヘルニアでは?」
vol.8「小学5年生の息子がシーバー病と診断されました」
vol.9「X脚の選手が膝のケガを予防するには?」
vol.10「すねの内側が痛く、シンスプリントと診断されました」
vol.11「股関節が固くてパワーポジションが取れません」
vol.12「動く時に膝が内側に入り、大ケガが心配です」
過去の『ケガ予防のQ&A』はこちらから!