ブラジルに圧勝! 五輪で連勝スタートを切った女子バスケ日本代表選手の寸評

2016/08/09
日本代表
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文=三上太 写真=Getty Images

第2戦も全員がそれぞれの役割を発揮し、予選ラウンド2連勝!

リオ五輪、女子バスケットボール日本代表の予選ラウンド第2戦の相手はブラジル。2年前の世界選手権でも対戦し、56-79で完敗を喫している。しかし2年の成長は大きく、渡嘉敷来夢が高さと強さを発揮すれば、ケガのため世界選手権に出場できなかった吉田亜沙美が見事にオフェンスを組み立てた。またバックアップの髙田真希、町田瑠唯、近藤楓なども持ち味を発揮し、82-66で勝利。開幕2連勝を飾ったブラジル戦の選手たちを独自に評価した。

渡嘉敷来夢
WNBA仕込みの体を張ったディフェンス、攻守のリバウンド(9リバウンド)でチームの2連勝に大きく貢献。オフェンスリバウンドから栗原の3ポイントシュートを演出したアシストも冷静に判断できていた。攻撃ではドライブ、速攻、ジャンプシュート、そしてリバウンドシュートと、まさにオールランドな活躍でチームトップの23得点をマーク。欲を言えばミドルシュートの精度をもう少し高めたいところだが、それでも「世界の渡嘉敷になる」と公言するだけあって、世界標準のプレイを日本に持ち込んでくれている。本日のMVP。

初戦に続き最も長いプレータイム(37分強)を得た渡嘉敷は、攻守に渡り「世界標準」のパフォーマンスを見せた。

吉田亜沙美
試合前、審判に握手をする瞬間から笑顔を見せるなど、心身ともに充実している様子がうかがえる。プレーでも視野の広さを生かして、ディフェンスの状況に合わせた的確なアシストを送っていた。11得点11アシストのダブルダブルをマーク。秀逸は第2ピリオドの残り50秒、競り合いからボールを跳ね上げ、そのルーズボールを拾って速攻でバスケットカウントを決めたプレー。さらにその直前に見せた、目線を味方に送るフェイントでディフェンスの動きを封じたドライブも世界レベル。スピードのあるプレーをしながら、冷静なプレー選択ができている。MVPの次点。

髙田真希
バックアップとして自らの持ち味を十分に発揮。確率のよいミドルシュートと、速攻への参加でチーム2番目の得点、14得点を挙げる。第4ピリオドに不用意なファウルでバスケットカウントを献上するなどファウルがかさんでしまったのは反省点だが、それ以外は概ね髙田らしい、落ち着いたプレーでチームの勝利に貢献していた。

栗原三佳
ベラルーシ戦で6本の3ポイントシュートを沈めたことから、当然マークは厳しくなっていた。今日は4本(9本試投)しか決められなかったが、効果的に決めるという意味ではシューターとしての役割を十分にクリアしていた。決めた後の笑顔もさわやか。またディフェンスリバウンドを7本取っているところも評価したい。ただブラジルの運動能力を生かしたドライブに、ディフェンスで対応しきれなかったところは今後の課題として残る。

町田瑠唯
初戦に続き、吉田のバックアップを堂々と務める。ボールをしっかりと敵陣にプッシュして、速い展開から長岡や髙田の得点シーンを演出。パスの選択にもミスがない。第2ピリオドにボールを奪われる場面もあったが、その後の対応がよく、失点につなげなかった。初戦では決められなかった得点も、速攻からのジャンプシュートとレイアップシュートで4得点(5アシスト)。強いて挙げればノーマークの3ポイントシュートは沈めたい。

間宮佑圭
初戦に続いて、間宮個人としては我慢を強いられるゲームとなった。それでも2試合連続で先制点を決めたり、後半に見せたスピンムーブからのレイアップや、終盤にジャンプシュートを沈めるなど、復調の兆しを見せつつある。また体を張ったディフェンスやリバウンドなどで頑張れている点も、彼女の良さの一つ。我慢の中で、これから力を発揮してくれるはず。

世界での戦いとなると我慢を強いられる間宮だが、その中でも随所に持ち味を発揮して勝利に貢献した。

本川紗奈生
まだまだ本川らしい元気なプレーが見られていない。攻守の切り替えから前へ前へと走る点や、第1ピリオドに見せたステップインなどいい面もあったが、もっともっと元気な「サナエスマイル」が見たいところ。3ポイントシュートの精度も上げていきたい。

近藤楓
髙田、町田と並び、バックアップでいい仕事をした。ドライブからのジャンプシュートもさることながら、3ポイントシュートを1本でも決めたことは、「日本のシューターは栗原だけじゃない」というインパクトを他国に与えられたはず。ディフェンスでも手足をよく動かし、相手を嫌がらせた。これからさらに出場機会が増えそうな予感。

長岡萌映子
第ピリオドの終盤、交代直後に速攻でシュートを決めたのはよかった。しかし第2ピリオド以降、攻め気があまり感じられなかったのは今後の課題。爆発力こそ長岡の持ち味だけに、「やりすぎだ」とベンチに下げられるくらい、思い切ったゴールアタックを見せてほしい。ディフェンスもヘルプに行ったところまではいいが、そのあとでマークマンを見失うなど、少し悪い癖も出てきている。ともに修正を求めたいところ。

王新朝喜、宮澤夕貴、三好南穂
41秒の出場なので、評価に達せず。ただし、全員が最後まで集中して体を張り、三好がノーマークで3ポイントシュートを狙った点は評価したい。


まだまだ力を発揮し切れていない選手もいるが、それをカバーする選手がいることは、組織で戦う日本にとって大きな意味を持つ。思うようにプレーできていない選手たちも。大会を通してパフォーマンスを上げてくれると信じよう。
2連勝とはいえ、これから続くトルコ、オーストラリア、フランスはこれまでの2試合とは異なるレベルの強豪。ミスの連鎖は許されないし、何よりもディフェンスリバウンドの奪取率はまだまだ課題だ。ブラジル戦の後半のようにしっかりとボックスアウトをして、アウトサイド陣がどこまでリバウンドに参加できるか。そこから速攻に走り出せば、スタミナも消耗する。その時にバックアップ陣が安定した力を出せるか。ここからが正念場である。

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vol.2 間宮佑圭 史上最強のインサイド陣を支える『我慢』の女!
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vol.4 髙田真希 最強のシックスマン、リオで輝け!
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