
「この3週間はディフェンスだけを鍛えてきた」
フレッド・バンブリートが膝前十字靭帯断裂の大ケガを負ったことで、ロケッツは先発ポイントガードの代役を見付ける必要がある。その候補を考えるに、フリーエージェント市場にはナゲッツを退団したラッセル・ウェストブルックが残っており、ケビン・デュラントとのコンビ復活を期待する声は決して小さくない。
しかし、デュラントは慎重な姿勢を見せる。トーク番組『Up & Adams』に出演したデュラントは、ウェストブルック獲得のアイデアに「ネット上の噂以外に、僕の耳に入ってくるものはない」と距離を置いた。「ラスはレジェンドだ。彼は今もNBAでプレーすべき存在だと思う。でも、ロケッツが獲得すべきかどうかは僕が決めることじゃない」
ウェストブルックはベテラン最低保証額の契約も受け入れるだろうが、それでもロケッツは誰かを放出しなければ彼と契約できない。デュラントがかつての相棒の獲得を希望すれば、それは誰かの放出を意味する。ネッツではカイリー・アービングとともにチーム編成をコントロールした彼も、今はそれを望んでいない。
バンブリートが抜けた分のプレータイムと役割は、3年目のアメン・トンプソン、2年目のリード・シェパードが担うべきだとロケッツは考えている。昨シーズンはルーキーだったシェパードはGリーグに回ることもあり、大きなインパクトを残したとは言えない。それでもシーズンを通してNBAで戦うためのフィジカルを鍛え、スキルとバスケIQを磨いており、飛躍の準備ができている。
シーズン始動に際してシェパードはこう語っている。「オフを通じて身体強化に取り組み、ウエイトトレーニングのレベルを一段階上げた。チームの練習施設に戻って、この3週間はディフェンスだけを鍛えてきた。ワークアウトも最初の30分はボールにさわらない。面白いとは言えないけど、自分にとって必要なことを学んだと思う」
バンブリートのケガは彼にとってチャンスが増えることを意味するが、「あのニュースは聞きたくなかった。本当に残念だ」とシェパードは言う。「でも、ケガもバスケの一部であり、それを乗り越えなきゃいけない。新しい選手を加えて新たなシーズンを始めることに、僕は興奮している」
シェパードがローテーションプレーヤーへと成長し、ハードワークが売りだったトンプソンもプレーメークを担うようになせれば、ロケッツにとっては大きなプラスとなる。昨シーズンにチームを飛躍させた『若手が育つ流れ』がある以上、その流れを断ち切る可能性のあるウェストブルック獲得に、今のロケッツは動かないだろう。