ジャック・クーリー

桶谷HC「リード&リアクトができていなかった」

『第101回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会』のファイナルラウンド2回戦、前回王者の琉球ゴールデンキングスは、B2の横浜エクセレンスの攻守にわたるエナジーあふれるプレーに受け身となり、73-66で辛くも勝ち切った。

琉球の桶谷大ヘッドコーチが「苦戦というか最悪でした。彼らがスカウティングとまったく違うことをやってきたことに対し『どうアジャストするのか』という基本が疎かになっていました」と語るように、横浜EXの前からどんどん仕掛けるプレス、そして「5番ポジションのところは1対1、あとはスイッチをしていました」という変則的なゾーンプレスに出だしから大苦戦。相手の術中にはまったことで立ち上がりからミスを連発し、試合全体を通して実に23ものターンオーバーを犯す。

琉球は一気に突き放すチャンスがあってもミスで自らリズムを崩し、横浜EXの追い上げを許した。第4クォーター残り2分半でわずか3点リードと苦しい展開になったが、最後は岸本隆一が持ち前の千両役者ぶりを発揮。残り1分半、荒川颯の得点に繋がるスティールを奪うと、次のオフェンスでもスティールを奪い、さらにダメ押しの3ポイントシュートを沈めた岸本の決定力によって競り勝った。

この試合、横浜EXのベンチ入りメンバーでプレーができた外国籍はベンジャミン・ローソンのみで、帰化選手は不在。駒不足の中で琉球を最後まで苦しめた横浜EXの奮闘は見事なものだった。ただ、琉球視点で言えば、いくら相手が想定外のことをやってきたとしても対応があまりにずさんだったことは否めない。

ただ、桶谷ヘッドコーチが「相手を見ながらリード&リアクトができていなかったですが、それでも隆一とは『どうプレーすればいいか』としっかりコミュニケーションを取って対応できました。これを天皇杯のような一発勝負でできたのは大切だと思います」と語るように、チームの大黒柱と一緒になって、試合中に最低限のアジャストができたことは収穫だ。

「目を覚さないといけないところもあります」

チーム全体が浮き足立つ中でも岸本とともに、やるべきことをしっかりと遂行したのがジャック・クーリーだ。24分9秒の出場で13得点8リバウンド3ブロックを挙げたインサイドの要は、こう試合を振り返る。

「まず、横浜EXのことを本当にリスペクトしています。これは(一発勝負かつ異なるカテゴリーが対戦する)天皇杯で、どのチームもハードに戦い、多くのエナジーを出してきます。それに30点差で勝っても1点差でも、勝利という結果は同じです。これからホテルに帰って、良い食事、睡眠をとって明日の試合に臨めることにワクワクしています」

「試合の展開は少しフラストレーションもありましたし、僕たちには遂行力が欠けていました。ただ、今回はいつもとすべてが違っていました。試合前のウォームアップの環境が違っていて、早くに体育館に入って準備することができないなど、多くのことが影響しました。明日はこういう変化にしっかりと対応しないといけないです」

もちろんクーリーも、『勝てばすべてよし』ととらえているわけではなく、「今日の試合を経て目を覚さないといけないところもあります」と気を引き締めている。そして本日20時ティップオフ予定となっているベスト8で対戦するのはシーホース三河だ。両チームは1月3日、4日とBリーグのレギュラーシーズンで対戦し、1勝1敗。横浜EXと違い、互いに手の内を知り尽くしている相手となる。

クーリーは「三河さんがどんなプレーをしてくるのか、自分たちが勝つために何をしないといけないかはわかっています。明日の試合、自分たちのやるべきことをハードに遂行すれば、勝つチャンスは大きいと思います」と意気込みを語る。

天皇杯のレギュレーションはBリーグのそれと異なり、外国籍のベンチ登録は2名のオン・ザ・コート1となる。三河の得点源ダバンテ・ガードナーが出場しているとき、クーリーがマークにつく場面は多くなり、クーリー自身もガードナー封じが大きなカギとなることは理解している。

そして個人として最大限に力を尽くすとともに仲間の協力も信頼している。「チームメートはいつも僕を支えてくれています。ガードナー選手は素晴らしいオフェンス能力を持っていますが、僕たちにはいろいろな戦略があり、僕は自分の役割を果たすだけです」

クーリーとガードナー、リーグ屈指の重量級センター同士による強烈な肉弾戦で、どちらがアドバンテージを取るかは、試合の勝敗に大きな影響を与える注目ポイントだ。