8連覇が懸かった宮城MAXと8大会ぶりの王座奪還を目指す千葉ホークスが今日激突。

昨秋、リオデジャネイロ・パラリンピック出場を決めた男子車椅子バスケットボール日本代表選手たちが、5月3日から5日に東京体育館にて日本一を争う『内閣総理大臣杯争奪 第44回日本車椅子バスケットボール選手権大会』がクライマックスを迎える。

4日に行われた準決勝第1試合は、宮城MAX vs NO EXCUSE戦。宮城MAXのヘッドコーチである岩佐義明はロンドン・パラリンピック時の指揮官。対するNO EXCUSEの及川晋平はリオパラリンピックを決めた現日本代表を率いており、新旧日本代表ヘッドコーチ対決となった。さらに、宮城MAXの藤本怜央とNO EXCUSEの香西宏昭はドイツのハンブルガーSVのチームメートであるが、帰国すればそれぞれ袂を分かち、日本代表ダブルエースが激突した。

立ち上がり、藤本の3連続得点で7ー0で宮城MAXが先手を取る。対するNO EXCUSEの香西も黙っていない。3ポイントシュート2本を沈めて追い上げると、拮抗した状態で試合は進む。両エースが確率良くゴールを奪い、互いに19点を挙げて33ー33と同点のまま前半を終える。

後半開始早々、宮城MAXは豊島英が起点となり、7連続得点を挙げて48-37と一気に11点差までリードを広げた。後手に回ったNO EXCUSEはミスが目立ち、頼みの香西のシュートも決まらない。タイムアウトを取り、仕切り直しのNO EXCUSEは再び本来の力を取り戻す。第3ピリオド終了間際には、ハーフラインを越えたあたりから放った香西のロングシュートはブザーとともに決まり、3点が追加されて53-46とし、7点を追って最終ピリオドへ。

42得点14リバウンドの活躍で宮城MAXを決勝へと導いた藤本。

藤本と香西の戦いはいつまでも見ていたいほど見応え十分。NO EXCUSEは終盤に巻き返したが、第3ピリオド序盤での10点差が響き、69-63で宮城MAXが逃げ切る形で決勝へ駒を進めた。藤本は42得点14リバウンド、香西も38得点12リバウンドとそれぞれ活躍し、リオでは共闘する日本代表の活躍に期待したい。

「香西はハードなファウルを受けながらも、あれだけシュートを決めてきてるというのはリスペクトしなければならない」と藤本はライバルを称えた。敗れた香西は、「NO EXCUSEの若い選手たちである森谷幸生や池田貴啓、湯浅剛が力を付けてきたことを感じることができる試合だった。そこは前向きに捉え、すでに3位決定戦へ向けて気持ちは切り替わっている」と淡々と話し、現在狙える最高位に照準を合わせていた。

宮城MAXの8連覇を阻む相手を決める準決勝もう1試合は、埼玉ライオンズvs千葉ホークス。前の試合同様、第3ピリオド序盤にポイントゲッターの土子大輔(25点)、植木隆人(15点)の連続得点で千葉ホークスがリードを広げ、57-45で2年ぶりの決勝進出を決めた。2度の3連覇を記録する千葉ホークスは、2007年以来となる8大会ぶりの王座奪還を目指す。

埼玉ライオンズを下し今日の決勝へ駒を進めた千葉ホークス。

決勝戦は5月5日(木)15時より東京体育館にてティップオフ。観戦無料。この模様はBS 241 BSスカパーでも生中継される。