中堅と若手が台頭した富士通は「自信を持って戦えば優勝できる」と強気

3月28日、Wリーグは4月1日から始まる『第24回Wリーグ プレーオフ』のセミクォーターファイナルとクォーターファイナルに向けた公式リモート会見を実施。1日のセミクォーターファイナルゲーム1で対戦する富士通レッドウェーブ(レギュラーシーズン5位)と日立ハイテククーガーズ(同8位)からはキャプテンの宮澤夕貴と白鞘郁里が登壇した。

16勝10敗でレギュラーシーズンを終えた富士通の宮澤は「自分を含めケガ人が多く、3ポイントシュートの確率もイマイチ。波のあるシーズンでした」とここまでを総括。10月の開幕から、コンディション不良を理由に選手が全員揃わない苦しいシーズンだったが、「中堅と若手がしっかり役割を果たしてくれたと感じています」とチームの成長についても話した。

宮澤がプレーオフの注目選手に挙げたのが、加入1年目の江良萌香だ。江良は昨シーズンまでアイシンウィングスの中心選手として活躍し、今シーズンは富士通に移籍。持ち前の得点力を武器に平均9.7得点、2.1リバウンド、2.3アシストをマーク。得意の3ポイントシュートの成功率は30.1%とやや低調だったが、宮澤はだからこそ「3ポイントシュートもドライブもできる選手なので、江良選手の活躍が大事になる」とプレーオフでの爆発に期待を寄せている。

チームの課題である3ポイントシュートの成功率を修正し、昨シーズンと同じファイナルまで勝ち進み、さらにその先を狙う富士通。宮澤は「まずは目の前のハイテク戦に向けて、しっかりと全員でディフェンスを固めたい」とコメントした後、「ウチはディフェンスが良いチームだと思っているので、3ポイントシュートの確率を上げることができれば戦っていける。コートに立つ選手が強い気持ちを持って、自信を持って戦えば優勝できると思っています」と語った。

4連勝フィニッシュの日立ハイテク、レギュラーシーズンの勢いに乗って大金星なるか

8位でレギュラーシーズンを終えた日立ハイテクの白鞘は、次のようにレギュラーシーズンを振り返った。「簡単に勝てない試合が多かったんですけど、選手同士でコミュニケーションが取れていたと思います。監督の指示だけでなく、選手同士で鼓舞し合って最後まで戦って勝てた試合もありました」

今シーズンの日立ハイテクは序盤から接戦が多く、オーバータイムの末に勝利する試合もあった。シーズン終盤は上位チームに連敗するなど苦戦したが、持ち味である『走るバスケ』を発揮し4連勝でレギュラーシーズンを締めくくり、14勝12敗と勝ち越しに成功した。「上位のチームと対戦する時に、身体の強さや一つひとつのプレーのうまさはかなわないなと感じる部分が多かったですが、『自分たちはできるんだ』と自信を持って戦えた試合もありました」

白鞘がキーマンとして紹介したのは、シューティングガードの星香那恵。成功率45.1%と高確率のフィールドゴールを武器に、リーグの得点ランキングで10位の平均12.8得点をマークした星について、白鞘は「チームが苦しい時にリングへのアタックやシュートを決めてくれるし、しんどい時間もコートを走り切ってチームに流れを持ってきてくれる選手です」と語った。

星や白鞘はもちろん、得点ランキング4位のダラーメ・マレム・ドイらビッグマンの活躍も勝利には欠かせない。「ここ2年クォーターファイナルに進出していますが、どちらも出だしで相手に流れを渡してしまっていたので、今年はしっかり最初から自分たちのバスケットをできるように40分間集中して頑張りたいと思います」と白鞘。プレーオフ出場順位の日立ハイテクが下剋上を見せられるか。まずは、強敵の富士通に勝利して勢いに乗りたいところだ。

この試合の勝者は、翌日のクォーターファイナルでENEOSサンフラワーズと対戦する。