平均得点だけでは分からない、本当のオフェンス力を紐解く

この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。

今回は、本当のオフェンス力とディフェンス力を知ることができるスタッツ『オフェンシブレーティング』と『ディフェンシブレーティング』をご紹介。オフェンス力を測るスタッツとして最もポピュラーなものは、公式サイトで見ることができる得点(Pts)ではないかと思う。このスタッツでも大まかな攻守の強さは測れるのだが、例えば以下のような場合を考えてみよう。

100回攻撃をして100点取る『チームA』と、80回攻撃をして90点取る『チームB』がある。一見するとより多く点を取っている『チームA』のほうがオフェンス力が高いように見えるが、攻撃回数が違うので得点だけで正しい比較とは言えない。攻撃回数が違うチームのオフェンス力を比較するために考案されたスタッツが、オフェンシブレーティングである。

このスタッツは100回攻撃した場合平均で何点取れるのかを計測したもの。このスタッツを使うことで、スローペースなチームとハイペースなチームとを同じ条件で比較することができる。ちなみにディフェンシブレーティングは、逆に失点を元に計算したスタッツだ。
計算式はこちら

Possessions = 0.5 × ((Tm FGA + 0.4 × Tm FTA – 1.07 × (Tm ORB / (Tm ORB + Opp DRB)) × (Tm FGA – Tm FG) + Tm TOV) + (Opp FGA + 0.4 × Opp FTA – 1.07 × (Opp ORB / (Opp ORB + Tm DRB)) × (Opp FGA – Opp FG) + Opp TOV))

FGA=フィールドゴール試投数 FTA=フリースロー試投数 ORB=オフェンスリバウンド DRB=ディフェンスリバウンド FG=フィールドゴール成功数 TOV=ターンオーバー
Tm〇〇 = チームの〇〇総数(例:Tm FGA=自チームのフィールドゴール試投数)
Opp〇〇 = 相手の〇〇総数(例:Opp FGA=相手チームのフィールドゴール試投数)

まずは比較するために平均得点のランキングを見ていこう

順位チーム平均得点
1千葉J87.9
2名古屋D86.1
3島根84.6
4広島84.1
5SR渋谷83.7
6群馬83.0
7北海道82.1
8横浜BC81.3
9琉球81.2
10川崎80.9
11三遠80.2
12茨城79.9
13秋田78.6
14A東京77.6
15大阪77.4
16京都77.2
17富山76.6
18三河75.4
19信州75.1
20FE名古屋75.1
21滋賀74.0
22宇都宮73.4
23新潟72.8
24仙台71.3

この得点ランキングと比較して、オフェンシブレーティングのランキングを見てみよう。

順位  チーム オフェンシブレーティング
1 千葉J 120.7
2 広島 116.9
3 島根 116.7
4 名古屋D 116.5
5 A東京 113.8
6 琉球 113.1
7 SR渋谷 112.3
8 群馬 110.4
9 横浜BC 110.0
10 川崎 109.9
11 茨城 109.3
12 北海道 109.2
13 宇都宮 108.1
14 三河 107.3
15 三遠 107.1
16 秋田 106.8
17 京都 106.4
18 大阪 106.2
19 信州 105.6
20 FE名古屋 105.2
21 富山 103.6
22 新潟 99.8
23 仙台 99.1
24 滋賀 98.8
平均 108.88

得点ランキングと大きな差があるチームは、アルバルク東京(得点:14位、ORtg:5位)と宇都宮ブレックス(得点:22位、ORtg:13位)。両チームは総得点が少ないためオフェンスが良くないように見えてしまうが、攻撃回数を揃えて比較すると実はオフェンス力は高いということが分かる。また、実際の勝率順位上位8チーム(3月16日時点)とオフェンシブレーティングの上位8チームを比較すると、6チームが合致する。

次はディフェンシブレーティングのランキングを見てみよう
※ディフェンシブレーティングは失点を比較しているため、順位が高いほどネガティブな結果である。

順位  チーム  ディフェンシブレーティング
1 北海道 120.8
2 新潟 120.7
3 滋賀 117.7
4 富山 116.4
5 SR渋谷 115.6
6 茨城 113.6
7 三河 112.3
8 京都 111.1
9 三遠 108.8
10 広島 108.5
11 FE名古屋 108.1
12 群馬 107.9
13 宇都宮 107.2
14 大阪 107.1
15 仙台 106.3
16 川崎 105.8
17 名古屋D 104.4
18 横浜 104.3
19 島根 103.8
20 秋田 103.1
21 A東京 102.6
22 信州 102.4
23 千葉J 101.8
24 琉球 101.4
平均 108.83

ディフェンシブレーティング上位8チームのうち、勝率順位の下位8チーム(3月16日時点)と7チームが合致している点は興味深い。これらの順位がシーズン終了時まで変わらなかったと仮定すると、オフシーズンにはディフェンスに注力した補強が必要になるかもしれない。