「またレベルアップして代表に戻ってこられるよう」
バスケットボール男子日本代表は、『FIBAアジアカップ2025』をベスト8決定戦敗退で終えた。前回大会のベスト8を下回ったことに加え、最後の試合となったレバノン戦は73-97と大敗。内容、結果ともに大きな反省が残った。
今大会に臨むにあたり、日本は若返りを意識したチーム作りを進めてきた。しかし結果としてコートに長く立ったのはトム・ホーバス体制においておなじみのメンバーがほとんどで、ジェイコブス晶以外に安定したプレータイムを与えられた新戦力はいなかった。
そんな中でも、限られた出場機会でインパクトを残したのがビッグマンの川真田紘也だ。ジョシュ・ホーキンソンをフィジカル面での負担軽減で4番ポジションで起用する戦略もあり、川真田は試合序盤から出番が多かった。
グアム戦では22分出場で6得点7リバウンド。敗れたイラン戦は7分出場、レバノン戦は6分出場にとどまったが、川真田が出ていた時間の得失点はイラン戦でプラス5、レバノン戦でプラス9だった。身体を張った粘り強いディフェンスで奮闘し、チームに良い流れをもたらしていた。
シリア戦の後、川真田は「Bリーグで外国籍とやりあうのが当たり前なので、メンタルの部分で負けるつもりはないです」と語っていた。イラン、レバノンの強靭なビッグマン相手にもこの言葉通りのタフなプレーを見せ、ホーキンソンの負担を軽減させる見事な繋ぎ役を果たした。川真田のステップアップは今大会における数少ない収穫材料となった。
レバノン戦後、川真田は「グループリーグを2位で勝ち上がってこれからというところで敗れて結果が出なかったです。相手の方が自分たちのやりたいことをやっていて、自分たちはできなかったです」と厳しい表情で振り返った。そして、自身のプレーについての手応えと課題を次のように語った。
「なんやかんやと4年くらい代表にいさせてもらっています。4年かかりましたが、今大会、少し変われた感じはします。でも変われた部分も完璧にできているわけではないので、次の代表戦に向けてもっとレベルアップしたいと思います」
川真田は「まだまだ自分たちが足りないところたくさんあります」と反省を口にすると共に、巻き返しへの強い気持ちを示してくれた。「逆に言えば成長するところがたくさんあります。自分もまたレベルアップして代表に戻ってこられるように頑張りたいです」