「アルバルクらしいバスケットで勝てた試合」

1月4日、アルバルク東京はホームに迎えた広島ドラゴンフライズを相手に、オフェンスが爆発して95-72と快勝。前日に敗れたリベンジを果たした。

A東京は出だしからボールがよく動く、テンポの良いオフェンスを展開。3ポイントシュート5本成功の32得点と大暴れのマーカス・フォスターを筆頭に、チーム全体でも27本中15本成功と長距離砲が爆発することで序盤から主導権を握る。ディフェンス面ではファウルトラブルに苦しみ、多くのフリースローを与えたが、最後まで高い強度を維持することで相手の得意とするトランジションからの連続得点を許さず、攻守ともに申し分のないプレーで快勝した。

シーズン序盤から故障者に苦しめられているA東京は、前日の試合でシューターの安藤周人が負傷。大倉颯太、中村浩陸の両ポイントガードに続いての離脱と大きな痛手となっている。だが、先発ポイントガードのテーブス海が、前日のゲーム1で11月2日以来となる待望の復帰を果たした。出場制限が設けられているが、18分49秒の出場で手堅いプレーを見せたのは大きなプラス材料となった。

デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、「しっかりとフィジカル面で相手に対抗し、第1クォーターから相手にやりたいプレーをさせないという強い気持ちで戦うことができました。ケガ人が多い中、みんながしっかりと貢献してくれました」と試合を総括。テーブスも、「今日は出だしからチームとして意識していたことを特にディフェンスで遂行できたからこそ、アルバルクらしいバスケットで勝てたと思います」と、守備からリズムを作って大量得点に繋がったと振り返る。

今シーズンのテーブスは開幕を欠場で迎え、シーズンデビューが10月18日と遅れると、11月2日の試合を最後に再び故障で離脱してしまった。序盤から故障が続いた時は、次のことを意識していたと明かす。「そもそも何でケガをしたのか、一から自分の身体の動かし方を見直しました。(今回の欠場以前には)他の部分が痛くて試合に出られなかったこともあったので患部以外にも強化をして、まずはケガをしない身体作りに取り組んでいました」。

テーブスの持ち味は、チーム戦術を的確に遂行することに加え、188cmのサイズを生かしたアタックによって個の力で局面を打開できるところだ。だが、大倉、中村と司令塔が相次いで離脱しており、今のA東京はテーブスがベンチに下がっている間は、ウイングの選手がメインハンドラーを務める状況となっており、プレースタイルのアジャストを行っていると語る。

「特にシーズン序盤はアタックファーストのメンタリティでプレーをしていて、そこから颯太、浩陸がうまく繋いでくれるローテーションでした。今は、自分以外に純粋なポイントガードがいない分、自分が出ている間は周りに気持ち良くプレーしてもらうためにコントロールをより重視しないといけない。周人がケガをしてしまいましたが今日、大活躍したマーカスを筆頭にウイング陣の調子が良い分、自分が繋ぎ役となって効率良くチームオフェンスをできることを意識していきたいです」

「自分の積極性が間違いなくどこかで必要になってくる」

いよいよ明日から始まる天皇杯にA東京は出場する。昨シーズンは決勝で敗れ、目の前で逃したタイトル奪取に強い思いを持って臨む。チームにとって天皇杯にテーブスが間に合ったのは朗報だ。

テーブスにとって、過去に長らく行われていた年始の集中開催に戻った天皇杯への参加は初めてとなる。優勝するためには6日間で4試合を勝ち抜く過酷な日程だが、「これまでテレビで見ていた天皇杯をプレーする感じです。もちろんタフですけど、トーナメント形式の方がウインターカップのような感じで(ここ数年の開催形式より)好きです」と語る。

このように好意的に捉えられるのも、コンディション面の不安がないからだ。天皇杯直前の復帰についてテーブスは「ケガをした時から天皇杯に間に合うか、どうかの状況で出られない可能性もありました」と、無理して戦線復帰したわけではないと強調する。

「最初から言っていたのは、天皇杯でぶっつけ本番の復帰となったら、一発勝負の大会でインテンシティが全く違うので、ケガが再発する可能性は高い。広島戦に出られるなら天皇杯も出たいと思っていました。ポイントガードにケガ人が続いたので復帰を急いだとかは全くないです。今回はタイミングが良く、痛みもない状態で広島戦を無事にプレーできたので、ベストな状況で天皇杯に臨めます」。

また、今は周囲を生かすことを優先しているが「自分の積極性が間違いなくどこかで必要になってくるので、その時のために準備をしていきたいです」と、ここ一番ではエースガードとして積極的に仕掛ける心意気だ。

今のA東京は満身創痍で天皇杯出場と、大きな逆境に立ち向かうことになる。ただ、今回の快勝とテーブスの復帰は、短期決戦を勝ち抜くために欠かせない勢いをチームに生み出したのは間違いない。