エース不在の間に、若手がチームの新たな未来を示す

トレイ・ヤングのエージェントは、ホークスと協議して移籍先を探していると『ESPN』が報じた。ただし、これは既定路線だ。昨年オフ、ホークスはトレイへの新契約をオファーしなかった。今は5年契約の4年目だが、最終年はプレーヤーオプション。今シーズン終了後に契約最終年を破棄すれば、トレイはフリーエージェントとなる。

彼がキャリア3年目を終えた2021年オフ、ホークスは東カンファレンスファイナル進出を果たし、若きトレイを中心としたチームには輝かしい未来が待ち受けているように見えた。このタイミングでホークスはマックス額の5年2億1500万ドル(約320億円)でトレイの契約を延長したのだが、期待に反してチームは右肩下がりに成績を落としていく。続く2年はプレーオフには進出するもファーストラウンドで敗退。直近の2年はプレーオフ進出も逃した。

かくして昨年オフ、ホークスは契約延長を見送った。ホークスは最大5年2億8700万ドル(約430億円)に見合わないと判断し、おそらく3年契約のような『手軽な』契約延長は協議されたが、合意に至らなかった。

こうして今シーズンが開幕し、そこからの数カ月が両者が歩み寄る最後のタイミングだったが、ここでトレイはケガで本来のプレーができず。そしてエース不在のホークスは若手の奮起で大健闘を見せた。こうなると破局は避けられない。ホークスとしては何らかの見返りが得られる2月のトレードデッドラインまでに彼を放出することになる。

ここ数年のトレイが勝てない現状を受け入れていたわけではない。シュートを減らしてアシストを増やし、ディフェンスも相変わらずサイズ的に弱点ではあるもののハードワークを見せるようになった。チームを勝たせるための努力を怠ったわけではないのだ。しかし、トレイを支えるためのはずだった若手が、予想を大きく上回る成長を見せた。

トレイは開幕から5試合で膝を痛めて早々に戦線離脱。ここから若いチームは堅守を見せ、ウイング陣がトレイのプレーメークではなく速攻で高い能力を発揮し始めた。4年目のダイソン・ダニエルズは守備専任から脱却して攻めでも機能し、5年目のジェイレン・ジョンソンはトリプル・ダブルを連発。ティンバーウルブズから加入したニキール・アレクサンダー・ウォーカーは攻守の繋ぎ役としてチームを束ねている。オニエカ・オコングはクリント・カペラの後釜として、前任者より多彩なプレーでステップアップを遂げた。

彼らがトレイの担うエースの役割、『チームの顔』としての重責を背負っているわけではないが、遠からずそれも担うようになるだろう。

トレイは12月中旬に復帰したが、彼がボールを支配し、ピック&ロール主体のオフェンスを展開することで、ホークスの強みだった速攻は消え、ディフェンスの強靭さも失われた。それまで15勝12敗だったチームは、トレイの復帰から7連敗と失速。トレイと若いコアが機能する組み合わせを見付けるよりも、トレードという結論が出たようだ。