ジャ・モラント

チーム再編のオフに? 「その議論にはかかわらない」

今シーズン後半戦のグリズリーズには、予想外のトラブルが次々と起きた。トレードデッドラインの時点では35勝16敗、西カンファレンスの上位をキープしており、主力に相次いでケガ人が出た前半戦をチームワークで乗り越えたという自信が生まれつつあった。モラントもケガを乗り越えて次第に調子を上げており、これから大きな波に乗れそうな気配があった。

しかし、トレードデッドライン以降は9勝13敗と勢いが出ない状況で、3月末にテイラー・ジェンキンス解任という大ナタを振るう。ジャ・モラントを軸に若手を育てながらグリズリーズを強豪へと引き上げた指揮官が去るショックが抜けない間に、ルーキーながら主力として活躍していたジェイレン・ウェルズが手首の骨折でシーズン終了となった。大混戦の西カンファレンスでチームは順位を落とし、プレーイン・トーナメントに回ることに。

第8シードでプレーインに進むも、相手はリーグ最高勝率のサンダーだ。初戦で51点差の大敗を喫し、第3戦ではモラントが相手との接触で空中でバランスを崩し、コートに叩き付けられてプレーを続けられず。第4戦ではモラント抜きで接戦を演じたものの、結局は0勝4敗で敗退となった。

「もちろん悔しいよ。すごく悔しい」とモラントは語る。「コメントが独り歩きするのが嫌だからあまり言いたくないけど、第3戦でのケガでプレーできなくなったのが本当に悔しい。勝てていた試合だったし、あの試合に勝っていたら状況は全然違うものになっていたと思う。そうしたら今ごろは2勝2敗でオクラホマシティでの試合に向かっていたはずだ」

「ケガも、コートに立てないことも、試合に負けることもフラストレーションが溜まった。その中でポジティブな面を探そうとして、可能性は見いだせたと思っている。それがこのシーズンの収穫だ。自分たちのやるべきことを毎日続け、ただ成長し続けることだ」

モラントにとっては今回もケガで始まり、ケガで終わるシーズンとなったが、彼自身の受け止め方は少々異なる。「ケガが多かったけど、今シーズンのケガはすべて自分にはコントロールできない状況で起きたものだった。自己管理が求められる背中や膝に痛みはなかった。まずはリハビリをして健康を取り戻す。でも手術をするわけじゃないからね。少し休んで戻って来るよ」

ジェンキンス解任により、今オフのグリズリーズは大幅な方針転換を選択する可能性がある。モラントだけでなくジャレン・ジャクソンJr.とデズモンド・ベインの中核選手にも、何が起きてもおかしくない。

グリズリーズの将来について、自分の意見を公言したり、フロントと話し合うつもりはあるかと質問されたモラントは、静かな口調で「僕の役割はバスケをプレーすることだ」と答えた。「そういう議論にはなるべくかかわらないつもりだ。自分に降りかかってくる問題が増える。そのプレッシャーは避けたい」