サンダーは大事な局面で個人技に頼ってしまい敗れる

舞台をインディアナに移してのファイナル第3戦は、ディフェンス主体の第1クォーター、ハイスコアの第2クォーター、そして再びロースコアの第3クォーターと試合内容も大きく変われば、その内容に応じてリードするチームも変わるシーソーゲームとなりました。

ルーゲンツ・ドートの3ポイントシュートが立て続けに決まり、先にリードを得たのはサンダーでしたが、ベンチメンバーが増えてくると得点が止まります。ペイサーズは第2戦で活躍したアーロン・ウィギンズへのプレッシャーを強め、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーのポストアップにはダブルチームを仕掛けるなど、これまでやられていた部分を塞ぎにいく対応でサンダーの勢いを止めました。

また、ペイサーズはベンチから出てきたTJ・マッコネルが、自分たちのシュートが決まった後のサンダーの迂闊なエンドラインスローインを奪って得点に繋げました。1試合に1回でも珍しいプレーが3回も発生し、マッコネルはこれだけで+6点の働きをしたことになります。頼れるベテランガードが試合を通して5スティールと、サンダーのお株を奪うディフェンスでペイサーズに勢いをもたらしました。

サンダーはファイナルで調子の上がらなかったジェイレン・ウィリアムズが積極的にドライブを仕掛けて26得点を奪いますが、1on1では勝てても連動性のあるオフェンスにはならず、チームのアシストは16と伸び悩みました。逆にペイサーズはタイリース・ハリバートンが22得点11アシスト9リバウンドでいつも通りにチームオフェンスを作り上げていきます。

サンダーの勝ちパターンは強烈なプレッシャーディフェンスで守り切り、シェイとジェイレンの個人技で上回る形ですが、ハリバートンからの連携を断ち切ることができず、試合終盤はオフェンス勝負の雰囲気が強くなりました。

サンダーの個人技によるアタックとペイサーズのチームオフェンス。この応酬になった時点でペイサーズがアドバンテージを奪うのは自然な流れでした。得点が停滞するサンダーに対し、第4クォーターを32-18と押し切ったペイサーズが116-107が2勝目を手にしました。