第4戦でグリズリーズの粘りを振り切る38得点を記録
サンダーとグリズリーズによるプレーオフのファーストラウンドは、その初戦で51点差の大勝を収めた時点でサンダーがスウィープ(4勝0敗)しそうな勢いが感じられた。
サンダーの3連勝で迎えた第4戦、グリズリーズが前半は互角の戦いを演じ、第4クォーター残り3分半で12点ビハインドの場面から盛り返したのはプレーオフ進出チームとしての意地だろう。それでも38得点を挙げたシェイ・ギルジャス・アレクサンダー以外にも5人が2桁得点というバランスの良いサンダーに及ばず、115-117で敗れた。
モラントは第3戦の後半、速攻からスコッティ・ピッペンJr.のアシストを受けてイージーレイアップを狙いに行ったが、そこでルーゲンツ・ドートに背後から倒された。空中でバランスを崩した彼は腰からコートに落ち、結果としてシーズンを終えることとなった。プレーオフを通じて各試合で守備の強度が上がり、それは時に荒っぽいプレーになって衝突を生むが、ドートの接触はフロアで足を滑らせてしまった結果であり、モラントを傷付けたことに彼自身がショックを受けていた。足首のケガを押してプレーしていたモラントもこのケガではプレーを続けられず、これがグリズリーズからわずかな逆襲の可能性も奪うことになった。
モラントの穴を埋めるべく奮闘したピッペンJr.は30得点11リバウンド4アシスト、初先発のサンティ・アルダマも23得点9リバウンドと活躍したが、グリズリーズにはポイントガードがモラントとピッペンJr.の2人しかいない。レギュラーシーズンにモラント不在の場合はルーク・ケナードが控えポイントガードを務めたが、プレーオフで劣勢を覆すだけの力はなかった。
サンダーにとっては完璧な4試合となったが、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーは第1戦でフィールドゴール13本中3本成功の15得点と不発だった。ただ、そこから試合ごとに調子を上げており、第4戦はゲームハイの38得点で、その締めくくりは第4クォーター残り11秒、マークするビンス・ウィリアムズJr.をステップバックでかわしてのジャンプシュートで、116-111と粘るグリズリーズを振り切る決定打となった。
「特に新しいことを学んだわけじゃないけど、自分らしさをキープできた」とシェイは語る。「これまでの僕なら必要以上に積極的になったり、逆にシュートを打つことから逃げてしまったかもしれない。結果に左右されずにメンタルを保ったのは、精神的に成長できた証だと思う。それはシーズンを通して積み重ねてきたもので、その成果が大事な瞬間に表れた。自分がなりたい姿に成長できたのはうれしいし、誇らしく思う」
カンファレンス・セミファイナルで対戦するのはナゲッツとクリッパーズの勝者だが、現在2勝2敗の大混戦で、サンダーはしばらく試合間隔が空くことになる。それでもシェイの意識はいつもと変わらず『成長』に向いている。
「有利にも不利にもなり得るよね。試合間隔が僕らを錆び付かせるリスクもあれば、休養十分で動きにキレが出る可能性もある。どれだけ試合間隔が空くとしても、その両方のバランスを取ることが大事だ。この期間もより良いチームになれるよう努力するよ」