ただし指揮官スティーブ・カーは「ターンオーバーとリバウンドに課題がある」
ヤニス・アデトクンボ不在のギリシャ代表は、チームUSAの敵ではなかった。プエルトリコ、スロベニア、スペインとの強化試合にすべて勝利しているアメリカ代表は、アブダビでギリシャを108-86で破っている。
スタメンは過去3試合と変わらずジェイレン・ブランソン、ミカル・ブリッジズ、ブランドン・イングラム、アンソニー・エドワーズ、ジャレン・ジャクソンJr.の5人。第1クォーターで2桁のリードを奪うと、その後も常に試合を支配した。
アンソニー・エドワーズは21得点を記録。プレータイムをシェアしたために出場は17分だけだったにもかかわらず16本のフィールドゴールを放ち、8本を決めている。これは彼が積極的にシュートを打っていったのはもちろん、パスを引き出す動きの質の高さを表している。「試合をこなすごとに調子が良くなっているよ」と、4試合中3試合でチーム最多の得点を挙げたエドワーズは語る。
先発の5人は不動だが、この試合ではセカンドユニットのローテーションが変更された。これまでプレータイムの短かったウォーカー・ケスラーが一番最初にベンチからコートに送り出され、7得点5リバウンド1ブロックを記録。ボビー・ポーティスも11分の出場で10得点7リバウンドと気を吐いている。
その他、キャメロン・ジョンソンは13得点、ジャレン・ジャクソンJr.とオースティン・リーブスは11得点を記録。ジョシュ・ハートはベンチからの出場で15分プレーし、シュートを放つことなくフリースローの1得点を挙げただったが、9リバウンド4アシスト2スティール1ブロックと彼らしいハッスルで存在感を見せている。
ただし、第1クォーターを32-17と圧倒した後はペースが落ち、スコアの面でもプレー内容でも大きな違いを見せられなかった。指揮官スティーブ・カーは勝ったことに満足しつつも「ターンオーバーとリバウンドに課題がある」と語る。アシスト26に対してターンオーバーは20。スピードでギリシャを上回り、速いペースの試合展開は作り出せたが、そこでミスが重なった。リバウンドは49-35とギリシャを大きく上回ったが、相手に11本のリバウンドを許してもいる。
「ポゼッションゲームで互角であれば、どこが相手でも勝算は見えてくる。我々が負けるとしたら多くのターンオーバーをして、ボックスアウトを怠りボールに飛び込まず、相手に余計なポゼッションを与える場合だ。それは選手にも伝えたし、こういう場でも言っていく」
スター選手不在と言われるアメリカ代表だが、それでもタレントレベルでは他国を圧倒し、チームとしての結束力も試合を重ねるごとに高まっている。ターンオーバーとリバウンドという課題はあるにせよ、それをすぐに、しかも高いレベルで解決できる実力がある。
残る強化試合はドイツ代表との試合のみ。ここでチームを仕上げてワールドカップに臨む。