序盤の15-2のランで得たリードを最後まで守り切る
ウインターカップ女子準決勝、京都精華学園(京都)vs大阪薫英女学院(大阪)の一戦は、高さのアドバンテージを生かしつつ、その高さだけに頼らない攻守のバランスの良さを見せた京都精華が86-80で勝利した。
瀬川心暖の3ポイントシュートで先制した京都精華、イゾジェ・ウチェのゴール下で確実にスコアすると、パスを散らして速攻にミドルシュートと多彩な攻めを見せる。守備ではスキルの高い薫英の個人技を一人で抑え込み、抜かれてもイゾジェがショットブロッカーとなる二段構えで失点を防いだ。開始約4分、イゾジェのオフェンスリバウンドから堀内桜花のゴール下が決まり15-2と一気に走った。
薫英はタイムアウトを取って流れを切ると、スキルフルな都野七海と熊谷のどかを中心に攻め立てて食らいついていく。オフェンスリバウンドに何人も飛び込み、高さの不利を人数で埋めた。それでも連続得点を奪えず、要所でイゾジェにイージーなゴール下を決められてしまい、28-44と点差を詰められずに前半を終えた。
後半に入っても薫英は粘りを見せる。ボールへの執着心で上回り、リバウンドを弾いては泥臭くマイボールにして速攻を連発。8秒バイオレーションを奪うなど、オールコートディフェンスも機能し、相手のリズムを崩した。何度も1桁差に迫るも、イゾジェにミドルシュートを決められ、交代で入ったディマロ・ジェシカにコースト・トゥ・コーストを許すなど、大事な場面で留学生プレーヤーを止められない。それでも、オールコートプレスからランニングプレーで食い下がり、3ポイントシュートにも当たりが出たことで最終クォーター残り2分で6点差にまで迫った。
だが、京都精華は最後まで落ち着いたプレーを展開し、薫英の猛攻を退ける。イゾジェに警戒が強まる中、八木がインサイドで力を発揮するバランスアタックで突き離すと、残り45秒には堀内がオフェンスリバウンドから3点プレーとなるバスケット・カウントを獲得。こうして薫英の驚異的な粘りを退けた京都精華は桜花学園(愛知)が待つ決勝へ駒を進めた。
山本綱義コーチは「桜花さんとやらしてもらうのが夢だった」と語り、「インターハイの時に負けていますので、チームの悲願でした。胸を借りつもりで思い切り戦いたい」と意気込んだ。
キャプテンの瀬川は追い上げを許したことを反省しつつ、決勝戦への思いをこのように語った。「後半に追い上げられている時にオフェンスで焦ってしまったり、ディフェンスのプレッシャーが強い時にターンオーバーをしてしまいました。ミスが積み重なると相手のリズムになってしまうので改善したいです。明日の桜花戦はどれだけディフェンスで抑えられるかが試合のカギになると思うので、最後までディフェンスを徹底したいです」
ウインターカップ女子の決勝戦は桜花学園vs京都精華に決まり、明日の12時にティップオフとなる。