「コートにいてくれれば他の全員のプレーが楽になる」
現地1月4日のクリッパーズvsホークスで、カワイ・レナードが今シーズン初めての出場を果たした。昨シーズンの3月末から右膝を痛めて欠場が続き、プレーオフで強行出場したものの本調子にはほど遠く、2試合にしか出場できず。パリオリンピックに向けたアメリカ代表のトレーニングキャンプに参加するも、すぐにチームを離れて右膝の手術に踏み切った。
それから調整を続けてきたが、開幕には間に合わず。ここまで時間はかかったが、クリッパーズも本人も無理はせず、ただ少しずつコンディションを高めてここまでたどり着いた。まだ100%ではなく、試合後のカワイは「今夜はプレシーズンゲームのような気持ちで臨んだ」と明かしている。
「不安はなかった。今までやってきたことをただ続ける。それが今の僕にできること」とカワイは言う。「何も難しくはなかった。ここまで来るのに正しいステップを踏んできたけど、プレーするのはその中でも一番簡単な部分だ。難しいのはプレーできず、仲間と離れてリハビリをすることだよ」
試合開始2分にジェームズ・ハーデンのアシストを受けて3ポイントシュートを成功させ、そこからはスムーズにリズムに乗れたようだ。ただし無理はせず、前半終了時点でチームが大量リードを奪っていたこともあり、プレータイムはわずか19分。リズムをつかみはしたが、プレーの強度を上げるところまではいかず、久々の実戦の感触を確かめる試合となった。
ただ、これもカワイの完全復活に向けた道のりの途中で、これがスタートでもゴールでもない。指揮官タロン・ルーは「これで膝が腫れないか、痛みが出ないかが大事だ」と慎重な構えを崩さない。「試合でプレーして、問題がないか確認する。そんなプロセスを繰り返してコンディションを上げていく。ひとまず今日は良いスタートになったと思う」
そしてルーはこう続ける。「カワイの能力を考えれば積極的に攻めて得点もできるだろうが、我々は彼に無理をさせたくはない。それでもカワイがコートにいてくれれば、他の全員にとってプレーが楽になる」
その恩恵を受けたのが20得点を挙げたノーマン・パウエルだ。「カワイがいればディフェンスの注意はそちらに向く。それで僕はローテーションから抜け出してキャッチ&シュートの3ポイントシュートを決められるようになった。これまでよりもずっと楽だよ」
昨年オフにポール・ジョージが退団し、カワイも開幕からここまで2カ月の離脱と予想以上に欠場が長引いたが、過去4シーズンの両エースが不在でもクリッパーズはよくまとまって善戦を続けてきた。チームプレーが上手くハマっている今、カワイは落ち着いて調子を上げていける。