「リーダーシップがチームの信頼を生み出している」
昨シーズンは82試合を戦って2連勝が2回あっただけの14勝68敗という不名誉な成績に終わったピストンズは、見違えるような戦いぶりを見せている。現地1月4日、ティンバーウルブズに119-105で勝利。1点差だった第1クォーターのラスト1分から第2クォーター開始4分までに18-1のランでリードを奪うと、そのままセーフティリードを保つ完勝だった。これで3連勝、1敗を挟んでまた3連勝と6勝1敗で、17勝18敗と勝率5割に手が届きそうだ。
ウルブズのエース、2020年のNBAドラフト全体1位指名選手のアンソニー・エドワーズは3ポイントシュート10本成功を含むキャリアハイの53得点を記録。一方でピストンズは、その1年後の全体1位指名選手であるケイド・カニングハムが40得点9アシストを記録した。
ピストンズを率いるJ.B.ビッカースタッフはエドワーズの活躍について「我々は彼を厳しくマークしたつもりで、これは彼を称えるしかない。3ポイントシュート10本を決められたが、厳しくチェックしているものも決められた。とんでもない選手だよ」と脱帽しつつも、「だが、我々はチームとして上回った」と満足気な表情を見せた。
エドワーズはただひたすら一人で攻めて、キャリアハイの得点を記録したがアシストは2つでターンオーバーは6つ。カニングハムはチームを巻き込み、オフェンスを機能させた。
その秘訣をカニングハムは「僕はチームのために最高の選手であろうとしている。時には自信が悪い方向に働いて『今は好調だから自分で攻めるべきだ』と感じることもあるけど、そんな時もみんなのリズムを確かめるようにしている」と語る。
「みんなのリズムを把握して、試合の早い段階からできるだけボールに触れさせてオフェンスに絡める。そんな僕のやり方をみんなも信頼してくれているから、良い結果が出ているんだと思う」
指揮官ビッカースタッフもカニングハムのプレーメークとリーダーシップに全幅の信頼を置いている。「彼の手にボールがある時、彼が最善のプレーを選択するとどの選手も信じて疑わない。彼は常にアンセルフィッシュで、チームメートが波に乗ることがどれだけ大事かを理解している。そのリーダーシップがチームの信頼を生み出しているんだ」
カニングハムは4年目にして23.6得点、6.7リバウンド、9.5アシスト、3ポイントシュート成功率37.1と、このすべてでキャリアハイの数字を残している。長らく勝てていなかったピストンズを浮上させたインパクトも大きく、NBAオールスターに推す声も大きくなっている。
これについてカニングハムは言う。「まずは試合に勝つこと、その勝利に貢献できることが一番大事だ。それに付随するすべてのことも、僕にとって意味がないとは言わない。オールスターに選ばれるのは僕の目標であり、そういう話が出てくるのはうれしい。でも、やっぱり勝利が一番大事なんだ。どの試合でもチームが勝つ方法を探し続ける。そうすれば他の多くのことも自然とついてくるはずだよ」