新谷勇晴

決勝の相手はインターハイで敗れた福岡大附属大濠

ウインターカップ2024、男子ベスト4で鳥取城北が福岡第一に81-58と快勝を収め、福岡第一の連覇を阻止するとともに初の決勝進出を決めた。

互角の立ち上がりとなったが、第2クォーター終盤に鳥取城北が一気に突き放し、41-34とリードを奪う。後半に入っても鳥取城北は主導権を握り続け、5人が2桁得点を挙げたボールシェアによるバランスの取れたオフェンスで着実に加点。残り3分半には伊東和真の3ポイントシュートでリードを18点にまで広げる。

第4クォーターに入ると、福岡第一も意地を見せ、ともに16得点を挙げた双子の宮本聡、耀のドライブなどで追い上げる。だが、攻守に渡ってプレー強度で上回っていた鳥取城北は流れを渡さず。残り約2分から新谷勇晴が3連続得点を挙げて、福岡第一の反撃を断ち切った。

この試合、福岡第一は本来の豊富な運動量とスピードを生かした激しいプレッシャーディフェンスを展開できなかった。井手口孝コーチは、「言い訳になりますけど、体調不良者が出てしまいました。これも含めて監督の不得の致すところです」と想定外のトラブルに見舞われたことを明かす。ただ、当然ながらそういった要素に関係なく、今日の鳥取城北は、勝利に値する質の高いプレーを見せた。

終盤、ダメ押しの連続得点を挙げた新谷は、初の決勝進出について「率直にうれしいですけど、こんなことが今までなかったので実感が湧いていないです」と明かす。

だが、一方で自分たちの力には確固たる自信を持っている。その大きなきっかけは、今年のインターハイでベスト8に進出。そこで敗れたとはいえ、強豪の福岡大附属大濠と最終的には56-66と開いたが残り数分までは僅差の激闘の繰り広げたことだ。「インターハイで大濠さんとああいうゲームができたことで自信が生まれました」と振り返る。さらに「夏の時と比べ、今は7人から8人と試合に出られるので層が厚くなりました」と成長への手応えを語る。

新谷勇晴

「今までにないくらいチームの雰囲気が良いです」

そして「予想通りの部分もありますが、予想以上のところもあります。勢いに乗れていますが、それに頼らずに自分たちのバスケットをしていきたいです」としっかりと足元を見つめている。明日の決勝戦、インターハイへのリベンジマッチへ向けた決意を語る。「自分たちらしいバスケをして負けたら仕方ないです。自分たちのリズムでバスケットをしたい。堅守速攻が自分たちのバスケで、今日はその代表的な学校である福岡第一さんに勝つことができました。その自信を明日に繋げたいです」

鳥取城北はボールをシェアし、チームで攻めるスタイルが特徴だ。だが、その中で新谷は今日の試合こそ11得点にとどまったが、ベスト8で26得点、3️回戦で22得点、2回戦も24得点と調子に乗っている。今日も最後に連続得点を良い形で終えることができた。

「前半、自分のリズムでシュートを打てていなかったですけど、後半にマインドを切り替えてやりました。後半に入ってからもミスが連発して悪い影響を与えてしましましたが、チームのみんなが救ってくれ、負けてられないという気持ちでシュートを打ちました」

こう今日の試合を振り返ると、明日の大一番では「自分がチームを勝たさないと、という気持ちはあります」と強い覚悟を持ってコートに立つ。

「今までにないくらいチームの雰囲気が良いですし、鳥取が来たぞということをみんなに知ってもらいたいです」

明日の決勝に勝てば、この新谷の願いはさらに叶い、鳥取城北は全国区の知名度を誇るチームの仲間入りを果たすことになる。