フィニー・スミスは守備の万能性と安定感を買われる
レイカーズとネッツの間でトレードが成立した。レイカーズはディアンジェロ・ラッセルとマクスウェル・ルイス、2巡目指名権3つ(2027年、2030年、2031年)をネッツに譲渡し、代わりにドリアン・フィニー・スミスとシェイク・ミルトンを得る。
フィニー・スミスは攻守に安定した働きのできるフォワードで、今シーズンは20試合に出場して3ポイントシュート成功率43.5%と好調。ディフェンスでの万能性と安定感は、プレーオフで有用だと見られ、再建中のネッツからどこが獲得するかが注目されていた。グリズリーズが先に交渉を進めており、来年のドラフト1巡目指名権に加えてルーク・ケナードとジョン・コンチャーとのトレードが話し合われていたが破談に終わり、そこに新たな交渉相手であるレイカーズがトレードをまとめた。
レイカーズでは相手のエースのマークを担当しつつ、レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスからのキックアウトのパスを高確率で得点に繋げることが期待される。レイカーズはレブロンとデイビスの両エースに八村塁を組ませるビッグラインナップが機能し、八村がディフェンスとリバウンドで力強く安定したパフォーマンスを見せ、相手のセンターも守れるようになったことで存在感が増している。フィニー・スミスがこのグループに加わることで、誰かを休ませながらビッグラインナップを継続できる。
さらに重要なのはサラリーキャップで、フィニー・スミスとミルトンの年俸を足してもディアンジェロの1870万ドル(約28億円)以下。これでレイカーズはセカンドエプロンを下回り、贅沢税を含めると1000万ドル(約15億円)以上を節約できたと『ESPN』は報じている。サラリーキャップに余裕が生まれたことで、今後のトレードもやりやすくなった。
ディアンジェロ・ラッセルにとっては5年ぶりのブルックリン復帰に。レイカーズの司令塔としての地位を確立していたが、オフに契約延長で合意に至らず、今シーズンは先発出場10試合のみでベンチスタートに回った。プレータイムは平均26.3分と激減とまではいかなくても30分を切り、存在感を失いつつあった。
ディアンジェロにとってネッツは、2017-18シーズンから2年間プレーして、大きな飛躍を遂げたチーム。ネッツにとっても永遠に思えた再建期からチームを引き上げた功労者だ。しかし、今もまた再建期を迎えているネッツにとって28歳のディアンジェロはタイムラインが合わない。今シーズン終了後にフリーエージェントとなる身であり、次なる動きもありそうだ。一方でキャリア2年目のマクスウェル・ルイスはフィニー・スミスに代わるフォワードとしてネッツで出場機会を得ると期待される。
ネッツは平均24.7得点を挙げているエースのキャム・トーマスを始め、キャメロン・ジョンソンもトレードの対象としている。いまだキャップスペースには余裕があり、2月までまだまだ動くことになりそうだ。