アルバルク東京に加入したライアン・ロシター、内容には課題も勝利の立役者に「何が何でも勝つという気持ちで」

アルバルク東京に加入したライアン・ロシター、内容には課題も勝利の立役者に「何が何でも勝つという気持ちで」

2021/10/29 18:00

1点ビハインドの土壇場で値千金のスティールから逆転、殊勲の働き

10月27日の水曜ゲーム、アルバルク東京は新潟アルビレックスBBに序盤から主導権を握られる苦しい展開となったが、第4クォーター終盤になって一気にまくり、79-78と競り勝った。

この価値ある逆転勝ちを演出したのは、リーグ屈指のタレント集団の中にあっても軸となる田中大貴、アレックス・カーク、ライアン・ロシターの3人だった。田中は64-74と点差を2桁に広げられた第4クォーター残り4分半以降、それまでわずか2得点だったが、ここから約1分半の間に、3ポイントシュート、バスケット・カウントとなるレイアップなど怒涛の8得点をマーク。カークは残り2分17秒に1点差と迫る3ポイントシュートを沈めた。

さらに目立ったのがロシターで、3点差と再び突き放された残り30秒を切ってからのポゼッションでオフェンスリバウンドから押し込むと、直後のディフェンスで前から激しく当たって新潟のロスコ・アレンからスティールを奪取。そのまま決勝点となるレイアップを沈めた。

昨シーズンまで所属した宇都宮ブレックスではエースの役割を担っていたが、新加入のA東京では周囲とのコンビネーションは発展途上で、宇都宮時代と比べるとオフェンスに絡む機会は減っている。また、A東京には外国籍ポイントガードのジョーダン・テイラーがいて、コートに立っている時間帯はテイラーを起点として攻めを展開する。帰化枠のロシターは必然的にテイラーとの同時起用が多く、そうなるとボールタッチが少なくなるのは避けられない。彼としてはリズムを作りづらい状況にあるのだろう。

こういった背景から、まだ9試合を終えた時点とはいえ、各種スタッツは以前より目立って落ちている。しかし、ロシターの貢献度、試合に及ぼす影響力が低下しているわけではない。それは数字に出ないハッスルプレー、リーダーシップなど、彼のプレーを見れば一目瞭然だ。

新潟のロスコ・アレンは、この試合でフィールドゴール14本中11本成功の28得点と傑出したパフォーマンスを見せており、ロシターも彼の1対1を止めるのに苦労していた。だが、そのロシターが最後に勝敗を決するビッグプレーを決めている。

残り26秒、77-78と1点をリードする新潟のオフェンスが始まった。A東京がどこかでファウルゲームを仕掛けて時間を止めるのが当然のセオリーだが、ロシターが前からアレンにプレッシャーをかけた時、本人にファウルゲームという意識はなかった。

ロシターはこう振り返る。「チームファウルが溜まっていたので、ルカ(パヴィチェヴィッチ)はソリッドに守るよう指示していました。その中でも終盤はずっとあのようなプレーを狙っていました。1点負けている状況で、よりアグレッシブにいかないといけない。ボールを狙ってファウルをせずにスティールと思い通りのプレーができました。そのままゴール下で得点できて、タイムリーなプレーで決まってうれしかったです」

どんな状況でも的確な判断ができる冷静さと高いバスケットボールIQ、ここ一番の勝負強さ。まさにロシターのすごさが凝縮されたプレーだった。ただ、彼自身は課題の方が目立つと試合内容を振り返った。

「非常にタフなゲームで、何が何でも勝つという気持ちでハードにプレーしました。ただ、個人的にはかなり得点を許したと思います。我々は守備のチームなので、ここが反省点です。最終的に勝てたことがすべてですが、これからチームを改善していかないといけないです」

88失点を許して敗れた日曜日の千葉ジェッツ戦に続き、A東京はチームの基盤である堅守を発揮できていない。ただ、激戦の東地区において、どんな悪い内容でも勝利をもぎ取れたことに意味はある。勝って兜の緒を締めることができるのは、今のA東京にとって大きな収穫で、週末の天皇杯に向けて良い弾みとなるはずだ。

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