献身的なプレーでチームを支え、貢献度を表す数字は2試合ともにゲームハイ
川崎ブレイブサンダースは滋賀レイクスターズをホームに迎え、第1戦を75-67、第2戦を77-71で勝利し、連勝を4に伸ばした。
川崎の連勝で幕を閉じたものの、全員がハードワークする滋賀のディフェンスを前に得点が伸びず、我慢の展開が続いた。しかし、その苦しい時間帯を支えたのがパブロ・アギラールだ。アギラールは第1戦で17得点7リバウンド2アシスト3スティール2ブロックを記録すると、続く第2戦では19得点14リバウンド3アシスト4スティール1ブロックを挙げて勝利に貢献した。
ただ、この数字以上にアギラールのチームへの貢献度は高い。スタッツには残らない泥臭いプレーやリバウンドでは何度もトライすることでチームのポゼッションを増やし、ディフェンスでも味方にミスマッチが生まれればすぐにカバーに入って相手に突かれそうなポイントを抑えた。実際に2試合ともに得点はチームで2番目の数字となったが、貢献度を示すエフィシエンシーは、第1戦が29、第2戦が35とともにゲームハイの数字だ。
バスケ大国スペインでの代表経験も豊富な彼とすれば、もっと個を前面に押し出したプレーでチームを牽引してもおかしくない。それでもアギラールは『チームファースト』を貫いている。
アギラールはその理由を「僕にとって一番大事なことは勝つこと」と話す。「スタッツを気にするのではなくて、チームに何が必要なのか、そして自分ができることに着目してプレーできるのが僕の強み。スタッツばかりを気にする選手もいるとは思うけど、僕にとっては何よりも勝つことが大事です。勝ちにこだわってプレーする結果が、ハッスルプレーやリバウンドに繋がっています」
「ビッグラインナップの成長は優勝するためには絶対に必要」
ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒース、アギラールの『ビッグラインナップ』は、川崎の強みの一つだ。開幕当初は「ビッグラインナップは未完成で、他の選手との連携を取りながら育てていきたい」と語っていたアギラールだが、「ここ最近はすごく急成長していると自分でも感じます」と自信を語る。
「天皇杯で優勝したことも大きな自信になりましたが、今は熊谷(尚也)選手や(マティアス)カルファニ選手がケガで離脱しているので、僕とニックとJ(ヒース)の時間帯が多くなってきています。プレータイムが伸びるにつれて、連係も良くなってきていて、ビッグラインナップの成長はすごく感じています」
滋賀戦では高さと機動力があるジョーダン・ハミルトンとアンガス・ブラント、そして外国籍選手を相手にしても臆さない今川友哲の身体を張ったディフェンスにより、いつものようにはアドバンテージを生かせなかった。それでも試合終盤でのビッグラインナップの存在感は大きく、相手が疲れてきたところで、この3人がインサイドを固めてリバウンドを取ることで違いを見せた。
アギラールはこのラインナップに手応えを得ているが、優勝するためにはさらに進化させる必要があると言う。「ビッグラインナップの成長は優勝するためには絶対に必要なことなので、もっともっと成長させていきたいです」
そしてビッグラインナップだけでなく、チーム全体で成長していきたいと、シーズン終盤戦に向けての意気込みを語った。「この2試合はチームの成長に繋がるゲームでした。ここからチャンピオンシップに向けてチームが成長していけるように、日々の試合を学ぶ機会としてプレーしていきたいです」